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平成28年第1回定例会−02月15日-03号

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  1. 杉並区議会 2016-02-15
    平成28年第1回定例会−02月15日-03号


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    最終取得日: 2021-09-29
    平成28年第1回定例会−02月15日-03号平成28年第1回定例会   平成28年第1回定例会             杉並区議会会議録(第3号) 平成28年2月15日 午前10時開議 出席議員48名  1 番  奥  田  雅  子      25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  小  林  ゆ  み      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  上  保  まさたけ      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  木  村  よ う こ      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  原  田  あ き ら 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  富  田  た  く      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  小  泉  や す お 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長    吉 田 順 之       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       総務部長           関 谷   隆       危機管理室長         北 風   進       区民生活部長         井 口 順 司       地域活性化担当部長      有 坂 幹 朗       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長         森   仁 司       高齢者担当部長        田 中   哲       子ども家庭担当部長      田部井 伸 子       医療・介護・福祉・保健連携担当部長                      長 田   斎       杉並保健所長         西 田 みちよ       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長事務代理都市整備部副参事                      浅 井 文 彦       環境部長           森   雅 之       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      松 沢   智       政策経営部財政課長      齊 藤 俊 朗       総務部総務課長        都 筑 公 嗣       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習スポーツ担当部長       オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長                      和久井 義 久       中央図書館長         井 山 利 秋       選挙管理委員会委員長     伊 田 明 行       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       佐 野 宗 昭         平成28年第1回杉並区議会定例会議事日程第3号                               平成28年2月15日                                  午前10時開議 第1 一般質問 ○議長(はなし俊郎議員) これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、区政一般についての質問に入ります。  通告順にこれを許可します。  18番大和田伸議員。       〔18番(大和田伸議員)登壇〕 ◆18番(大和田伸議員) 杉並区議会自由民主党の大和田伸です。会派の一員として、通告に従い、第1に国公有地の利活用について、第2に観光まちづくりについて、以上大きく2点にわたりお伺いいたします。区長初め理事者の皆さんにおかれましては、ぜひとも前向きかつ具体的な答弁を求めるものであります。  本年は総合計画の計画期間前半最後の年ですが、区ではこの間、実行計画に明記されている10年間で特養を1,000床整備するという目標に向けて、国公有地や民有地を活用しながら整備を推進しているところであります。  まずは、確認の意味も込めて、東日本大震災後に国から国家公務員宿舎の削減計画が出てきてからこの間、特別養護老人ホームを含め、福祉施設の整備のために活用した区内国有地の件数をお示しください。  国は昨年11月に、介護離職ゼロの実現に向けて、介護施設等の整備促進を柱とした一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策を示しました。これを受け、今般、定期借地権による貸付契約を締結する際は、貸付時期から10年間貸付料を減額する方針が打ち出されたものであると認識しております。  これは、都心部における特養整備の最大のネックとなる土地の取得については歓迎すべきことではありますが、具体的にどのような国有地がこの国有地貸付制度の対象となるのか。また、現在、区内でも、国から照会が来て特別養護老人ホームの整備の意思表示をしている事例があったかと存じますが、そうしたケースも適用を受けることができるのか、あわせてお伺いいたします。  関連して、昨年12月に国から活用の照会が来ているとお聞きしている環状7号線沿いの高円寺南5丁目国有地についてもお聞きいたします。  当該地は現在、庁内において照会に対する回答に向けて調整中であると伺っておりますが、まずは、ここまでに至る経緯、そして現在の議論の経過、また今後のロードマップについても、ここで改めてお示しください。  当該地については敷地面積が2,500平方メートルを超えることから、限られた地域だけではなく、区全体として有効活用できる土地であると認識しております。そのような中、町会の方々を含め、地域にお住まいの方々にお話をお聞きいたしますと、当該地については、特別養護老人ホーム等の福祉目的での利活用を望む声が上がっております。また、実行計画で定めた目標達成に向けても、ここは国に対して、先ほど触れた新たな貸付制度を活用して特養整備を図る旨の要望を上げていくべきであると考えるものですが、ここで区の御所見をお伺いいたします。  また、当該地域一帯を俯瞰すると、大久保通り以北、具体的には高円寺北1丁目並びに同南5丁目については、交通量の多い環状7号線を横断しない限り、ゆうゆう館を初めとした高齢者が集う場所が存在しません。ゆえに、地元町会の中には、地域の高齢者が気軽に集うことができ、また当該地は小中学校にも至近であることから、世代間を超えた交流も可能となるようなサロン的な機能などについても、当該地利活用の中で検討していただきたい旨の御意見が上がっていたことを、ここであわせて申し添えておきます。  一方で、当該地につきましては、東京都も活用策を検討しているという動きがあるようです。現在、東京都との協議につきましてはどのような状況なのでしょうか。  また、当該地を当区と東京都がともに活用したい旨を要望した際、どのようなことが想定されるのでしょうか、この項の最後にお聞きいたしまして、次の観光まちづくりの質問に移ります。  昨年の訪日外国人観光客数は過去最多の1,974万人、先月の19日に観光庁から発表されたこの数字は、翌日報道各紙の紙面に踊りました。御案内のとおり、政府はこれまで、2020年までの目標として訪日外国人観光客数、年間2,000万人を掲げていましたが、早くもこの数字に迫る勢いであり、政府は今後もプレクリアランスを再開し、スムーズな入国を可能とさせるなど、訪日客の増加に積極的に取り組む姿勢を打ち出していることから、訪日外国人観光客数はさらに増加することは明白であります。  2020年の東京大会後に予想される景気反動の中でも伸長する可能性が観光にはある、当区においてもこのような思いに立って、今日各種インバウンド施策を展開していると認識していますが、まずはこの間の取り組みと評価について確認をさせていただきます。  しかし、一方で、その取り組みがどれだけ広く区民に周知されているでしょうか。私たち会派が毎夏開催をする区内団体との政策懇談会においても、魅力的な事業もある中で、周知が足りないのではないか、もっと多方面に強力に発信しなければ埋没してしまうという切実な御意見をお聞きしたところであります。私自身、当区にはハード面における目立った観光資源がないと言われる中、区の観光施策が実際に目に見える形であらわれ、区民の皆さんとの共有をより進化させることが、何より当区の観光事業の発展の原点であると考えています。そのような区民の声を受けて、所管課はどのように考えているのでしょうか。また、区民等に対する周知に関して、今区が行っているものがあれば、ここでお示しください。  訪日客が増加することによって、果たして私たちの杉並区には、そして区民にはどのようなメリットがあるのか。まるでインバウンド施策の一丁目一番地のような議論ですが、近年、JR高円寺駅周辺においても外国人観光客を見かける機会がふえたことを受け、地元の方々からこのような御指摘を受けることがあります。  確かに、マクロの視点で捉えるならば、大型量販店を中心に、日本国内における外国人観光客の消費額は優に3兆円を超え、昨年の世相をあらわす漢字にも、中国人観光客によるいわゆる爆買いを思い起こす1字が上位に選出されたことは、記憶に新しいところであります。  しかし、一方で、当区に置きかえてみるといかがでしょうか。新宿や秋葉原などの商業地に比べ、当区には脈々と積み上げてこられた歴史の上に今日の良好な住宅都市というブランドがあり、それは今や全国的にも知られるところであります。つまり、この良好な住宅都市杉並に暮らす人々から共感を得るような観光施策でないと、地域として観光に向き合う理解が進まないと私は考えるものであります。  そういった中で、ごみ捨てや騒音など文化や習慣の違いから、インバウンド施策を推し進めることは、ややもすると、当区の基本構想である「安全で活力あるみどりの住宅都市杉並」とは相反する場面も想定できるのではないでしょうか。ここで区の御所見をお伺いいたします。  また、ここであえて誤解を恐れずに申し上げるならば、現在、人口減少や地場産業の衰退に切実に悩む地方と比べ、当区はまさに「安全で活力あるみどりの住宅都市杉並」として存立しているわけであり、ハード面において目玉と言える観光資源がない良好な住宅都市である当区が、そこまで観光に重点を置く必要はないのではないか、むしろ良好な住宅都市としての長所を伸ばすことに特化するのも一つの選択肢ではないか、このように捉えることができなくもありません。  ここまで指摘をさせていただくのは、私自身、このままだと、「観光」という文字と所管課の意気込みだけが予算書に明記されるだけで、その実を区民が実感することなく、瞬く間に2020年が過ぎてしまうという危機感からであり、どうか御容赦をいただきたく存じますが、観光をまちのにぎわいにつなげようと必死で取り組む関係者の中には、同様の思いを抱いていらっしゃる方が多く存在をすること、所管課にはここで改めて受けとめていただきたいと存じます。  そこで、我が会派の代表質問でもお聞きしている点ではありますが、改めて、当区では観光施策をどのような観点で進めていくおつもりか。既に観光庁によって広く世間に示されている美辞麗句ではなく、やるかやらないか、その点を明確にお示しください。  また、一般的にインバウンド施策を進め、まちがにぎわうことによって最もその果実を享受すべき存在は、地元商店街であると言っても過言ではありません。つまり、インバウンド施策は商店街の皆さんとの連携が何よりも重要であり、双方の連携なくして成功はなし得ません。その点について、現在区は区内商店会連合会とどのような連携体制がとれているのか、ここであわせて確認させていただきます。  私が平成26年の第4回定例会において、外国人観光客が日本を訪れ不便に感じるいわゆる言葉の壁について言及したところ、区では早急に、区内の飲食店を中心に、店内メニューを英語表記にするといった取り組み等を進めていることについては評価をしております。  しかし、先日私は、商店街と当区におけるインバウンド施策の距離感を象徴する光景を目の当たりにいたしました。これは、私がさりげなく立ち寄った高円寺のある飲食店での話です。外見がおしゃれなその店で私が食事をしていると、ある二人組の外国人観光客が入店してきました。そして、二人はジェスチャーを交えながら店員に対し、この店には英語表記のメニュー版があるはずだが出してほしいと告げますが、店員は右往左往するばかり。数分後、ようやく店の奥から店長らしき方が慌てて英語表記のメニューを出してきました。私は、これが当区の今の外国人観光客への対応の実態だと思っております。  しかし、ここで悲観的な見方に終始していても仕方ありません。作成に入った当初、複数の店舗に呼びかけても英語メニューの必要性を感じておらず、対象店が余り積極的でなかったとの苦労話も聞いておりますが、実際に今、高円寺では200店もの飲食店に、たとえ店頭に置かれていなくても、英語版メニューが存在します。私自身、これだけの規模でまち全体が実施しているところは聞いたことがありませんし、少なからず、先ほど例に出させていただいたお店では、今後間違いなく店頭にこの英語版メニューが置かれることになろうかと思います。  つまり、ここで指摘をさせていただきたいのは、事業後のアフターフォローの大切さであり、このたびの例でいえば、英語メニュー設置後も、例えば使い方の助言など、きめ細かく施策に寄り添っていただきたいということであります。区の御所見をお伺いいたします。  インバウンド施策において常に重要だと言われるのがおもてなし、いわゆる受け入れ体制であります。もちろん、一般的には、先ほど指摘をした言葉の壁の解消や、公衆無線LANの整備は急務な課題ですが、風土や生活習慣が異なる国々では、私たちが思いつかないような創意工夫が功を奏するケースもあろうかと考えられます。  そこで、私たちが改めて再考すべきが、在住外国人を有効な資源と捉え、積極的にアドバイスを聴取する姿勢だと考えます。ここで、現在の在住外国人の国籍や人数等について、その概要をお示しください。  また、区ではこれまで、これら在住外国人の方々に対し、観光の視点も含め、何か接点を持つようなアプローチを行っているのか、確認させていただきます。  もちろん、これまでのように、在住外国人の方々に対しては、何か困っていたら手を差し伸べる、あるいは在住外国人同士の交流の場を提供するという視点も大切だとは思いますが、同時に、インバウンド施策の強化の視点から、今後はもっと戦略的にかかわっていただく、こういった視点も欠かせないと考えます。また、そうすることによって、その方の母国に対しても何らかの情報発信が期待できるといった相乗効果を見込むこともできます。  また、それと同様に大切にすべきは、実際に住宅都市である当区を観光で訪れている外国人観光客の生の声であり、私はその中にこそ、当区の観光施策の大きなヒントが隠されているのではないかと考えています。区には、ぜひともこれら有効な資源に積極的にアプローチするような仕掛けを構築し、それらをぜひとも当区の観光施策につなげていただきたいと考えますが、区の御所見をお伺いいたします。  次に、このたびの予算書にも取り上げられている外国人旅行者向け仮称杉並体験ツアー事業についても触れさせていただきます。  まず初めに、私自身、当事業が今後当区において本格展開されるに至ったきっかけには、昨年度、高円寺においてチャレンジ商店街サポート事業として実施された体験型街歩きツアーの存在があるものと認識しています。まずは、改めてこの体験型街歩きツアー事業の概要を確認させていただくとともに、この事業に対する区の評価をお聞かせください。
     繰り返しますが、スカイツリーのような目玉となる観光資源がない当区にとって、日本文化は貴重な観光資源と位置づけることができます。しかも、外国人が多く宿泊する新宿から至近にある当区は、このメリットを生かし、杉並を舞台に日本文化を体験できるさまざまな仕掛けを構築することができれば、外国人観光客の誘引にもつながると期待でき、私は、この施策には、当区の観光施策の起爆剤となり得る可能性が秘められていると捉えています。  そこで、この仮称杉並体験ツアー事業は、「区内のイベントや日本の文化を体験できる企画旅行を実施」と記載されていますが、具体的には区内のどのような地域で、どのようなイベントや体験をしてもらうのかお聞かせください。また、具体的な実施方法についてもあわせてお示しください。  外国人観光客を誘致する、この視点については、容易に、手軽に、そして何よりも瞬く間に拡散するSNSの存在が欠かせず、ここで大事なことは、来街者のうちどれだけ多くの方に杉並の魅力を発信していただけるかということであり、その本質は、決して当区を訪れていただいた観光客の感想を単発で終わらせずに、いかに物語を感じていただけるか、私はこのように考えています。  例えば、ここで阿波踊りを例に考えてみたいと存じます。JR高円寺駅をおりた観光客をまずは阿波踊り調の発着のメロディーが迎える、このことによって、観光客はまず高円寺が阿波踊りのまちであることを意識します。そして、改札を出て駅周辺を歩けば、まちの伝統や文化がラッピングされている多くのトランスボックスを目にし、観光客は阿波踊りがまちの文化として根づいていることを実感する。その後、阿波踊り大会の会場となる通りを歩きつつ、途中、疲れたら阿波踊りスイーツを食べながら休憩をする。そのためには、従来の商店街では余り見かけることがなかった座れる場所が必要になってくるでしょうし、それはインバウンドの視点だけではなく、高齢世代の買い物客にも喜ばれることと存じます。  また、外国人観光客がまち歩きをする際に、例えば女性であれば髪を結い、髪飾りをつける、また浴衣やはっぴを羽織り、帯を巻き、せったを履く。このように、いわゆる阿波踊りの女踊りといういでたちで歩けるような仕掛けを考えれば、より地域の商店街を巻き込むこともできますし、実際に地元美容組合の関係者にお話をお聞きしたところ、ぜひとも協力したいという声も多くお聞きいたしました。  そして、旅の締めくくりには高円寺界隈で実際に阿波踊りを見て、さらには踊りの体験ができるような仕掛けを考える。現に、阿波踊り側としても、具体的な議論はこれからのようですが、新年度から定期的に阿波おどりホールを使用しての練習を公開しようという動きもあるようです。  また、本場徳島県では、昨年、県内の有名連から踊り技術指導を受けることができる阿波おどり伝承塾を開催したところ、ツアー団体数が例年の2倍にふえたことから、今申し上げたようなことが実現をすれば、今般、区が重点を置く、外国人旅行者向け仮称杉並体験ツアー事業の発展に寄与するだけではなく、さらにそこに友好自治体というキーワードをはめ込めば、地方創生にもつながるかもしれません。  このように大きな可能性を秘める当区の観光施策。しかし、私自身、最終的に成功させるには、ソフト面の輝きを放つためのハード面の後押しが必要である、このように考えています。つまり、ソフト事業を実施する場として、また杉並の観光の象徴として、幾つかの観光資源を集めた拠点を今後の施設再編の取り組みの中でぜひとも検討すべきであると強く思っておりますが、区の御所見をお伺いいたします。  ここで、関連して、観光と密接な関係にあるシティープロモーションについても触れておきます。  シティープロモーションとは、みずからの地域イメージを高め発信することで、経営資源を獲得していく活動でありますが、私は、これまで当区から区外に発信される情報については、あるあるプロジェクトなどに代表されるように、ややもすると観光にのみ視点が置かれていたような気がしています。しかし、これからは、観光の視点以外にも、例えば当区の特徴的な施策についても積極的に全国に発信をすることで、当区の総合戦略の理念、すなわち人口流入に頼らず、区みずから人口を維持、増加させることにも寄与するのではないでしょうか。  そこで、区では新年度において区政情報の発信力強化を掲げていますが、これは区内に向けたものだけではなく、シティープロモーションとして全庁的に情報を集約し、積極的に区外に情報を発信することで当区の知名度を向上させる、このような視点も持ち合わせているのでしょうか、区の御所見をお伺いいたします。  この項の最後に、きょうは高円寺を舞台に観光まちづくりの質疑を展開させていただきましたが、何よりも重要なことは、当区の観光施策は決して限られた地域で完結させるべきものではないということであります。中央線沿いの各まちのほかにも、例えば西武線にはガンダムを初めとしたアニメ文化、京王線にはホタル祭りの原風景など、区内にはそれぞれのまちの魅力があります。阿波踊りはあくまでそれらを結ぶツールの一つとなり得るのではないか、私はこのように考えています。  まち全体を劇場とする、これは、先日ある商店街の会合で御挨拶をされた会長さんのお言葉です。これこそまさに観光の本質であり、先ほど触れたように、来街者は訪れるまちに物語を求めているのだと私は考えています。物語を感じることのできるまち杉並、観光まちづくりとは、まさに住んでよし、訪れてよしのまちづくりですが、後世に対し、皆さんと一緒にこのような杉並を残していくことができれば、こんなにうれしいことはありません。  きょうは観光施策について私自身の至らぬ思いを述べさせていただきましたが、区はどのように捉えていただけましたでしょうか。最後に総括的な御答弁をいただき、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、大和田伸議員の質問のうち、観光まちづくりに関する御質問についてお答えを申し上げます。  ただいま大和田議員の観光施策に対する熱い思いを受けとめさせていただきました。御指摘のとおり、昨年の訪日外国人旅行者は、政府の目標を上回る2,000万人に迫る勢いで増加をしておりまして、旅行消費額も3兆円を超えると試算をされているなど、観光立国政策が実を結びつつあると感じております。  しかしながら、杉並区は御指摘のとおり住宅都市として発展してきたまちでありまして、スカイツリーとか浅草の仲見世のような著名な観光地というものもありませんし、大型電器店あるいはシティーホテルなどの地域資源というのも、電器屋さんがないわけではないですけれども、そういった観光資源と位置づけられるような地域資源というのは少ないと思います。そういう中で、経済的な恩恵を十分に、訪日観光客がふえたことでの恩恵というものは受けるには至っていないという状況があるかもしれません。私は、このような状況の中で、杉並区の観光事業は、閑静な住宅地と商店街のにぎわいの調和が図られて、杉並らしい観光まちづくりの視点で事業を展開していくべきと考えております。  観光庁の資料によりますと、訪日外国人が日本で楽しみたいことは、これまでの買い物から、日本食を食べることなど日本にしかないもの、日本らしさに関心が移っておりまして、日本人観光客と同様に、まち歩き、歴史や文化、食など、その地域ならではの雰囲気を味わいたいという意向を持つ人が多くなってきているようでございます。  杉並においても、外国人旅行者に、地域の歴史の中で育まれた町並みや文化、伝統芸能、食、暮らし、こういったものを楽しんでもらうことは、飲食や買い物を通して地域経済が潤うということだけではなくて、地域のよさが再認識され、誇りが醸成される契機にもなるものと認識をいたしております。すなわち、訪れてよしのまちづくりだけではなく、住んでよしのまちづくりにも寄与し、区の創生総合戦略であります、将来にわたって持続可能な活力ある社会の維持につながるものと考えております。  そのためには、区が観光事業を推進する意義や効果を明確にして、わかりやすい目標を掲げて、区民、地域団体、商店街等に提示することによりまして、地域ぐるみのおもてなしや地域全体が観光の恩恵を受けることにつながり、杉並のよさやらしさを後世に残していけるのではないか、こう考えております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(はなし俊郎議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、まず、国有地の利活用に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、平成23年12月、国家公務員宿舎の削減計画が出されて以降、福祉施設整備のために活用した区内国有地の件数についてのお尋ねがございました。国に対し活用を要望し、既に定期借地権により貸付決定を受けている国有地は、保育所用地として4カ所、特別養護老人ホーム用地として1カ所、保育所と認知症高齢者グループホームの併設施設用地として1カ所でございます。  次に、国の介護施設整備における貸付料の減額の対象となる国有地についてのお尋ねですが、国が情報提供する介護施設整備に利用可能な国有地で、地方公共団体または社会福祉法人を貸付相手として、平成28年1月1日から平成33年3月31日までの間に定期借地権による貸付契約を締結した場合に減額の対象となります。ただし、地方公共団体が借り受けし、社会福祉法人に転貸する場合は、減額の対象となりません。  また、定期借地権による社会福祉法人への直接貸付を要望し、既に国から貸付決定を受けている高井戸東3丁目の国有地につきましても、契約締結を対象期間内に予定しておりますので、この新たな減額制度の適用を受けることが可能となります。  次に、現在国から活用の照会が来ております高円寺南5丁目国有地についてのお尋ねですが、当該国有地は2,500平米を超える容積率の高い用地であり、議員御指摘のように、国の貸付料減額制度の活用も念頭に、特別養護老人ホームも含め有効な活用策を検討し、回答期限である2月末までに国へ活用の要望を行うことを考えてございます。  なお、当該用地につきましては、東京都も活用の意向があると伺ってございます。国は活用に当たっての都区間での優先順位を設けていないことから、現在、国、都、区の3者で調整を行っているところであり、引き続き区の要望が実現できるよう調整を進めてまいります。  次に、観光まちづくりに関する御質問のうち、所管にかかわる御質問にお答えいたします。  まず、観光資源を集めた拠点の整備についてのお尋ねにお答えいたします。  杉並区には銀座、浅草といった観光名所はありませんが、JR中央線を中心として、個性的な文化、芸能、イベント、アニメなど、住宅都市ならではの魅力的な観光資源がございます。2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、東京を訪れる外国人旅行者は増加していくことが予想されます。今後、外国人旅行者を含む区内への来街者をこれまで以上に誘致するためには、ソフト、ハードを問わず、杉並の観光資源を集約するという視点は重要であると認識しております。  施設再編整備計画で生み出されるスペースは、その時々の行政需要に応じて有効に活用していく考えでございますので、議員の御指摘も踏まえ、平成28年度に予定をしている計画の改定において検討してまいりたいと考えてございます。  次に、シティープロモーションについてのお尋ねがございました。将来にわたって地域の活力を維持していくため、区の魅力を広く発信していくことは大変重要なことであると考えております。こうした考えのもと、昨年策定した総合戦略においては、広告宣伝業務に精通した人材の登用や、民間情報誌を活用した観光情報等の発信の取り組みなどを通じて、情報発信力を強化していくことといたしました。  また、議員御指摘のとおり、区の知名度を向上させることは、来街者の増加はもとより、区民の愛郷心の醸成や、杉並区に住みたいという人の増加にもつながると考えておりますので、観光情報に加え、先進的な区の施策を発信していくことも重要であると考えてございます。  これまでも、自治体スクラム支援、区域外特養ホームの整備、狭隘道路の拡幅整備など、区の先進的な取り組みが全国的にも注目を集めてまいりましたが、今後ともこのような取り組みを積極的に実施し、効果的に発信することで、区の魅力アップに努めてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(内藤友行)登壇〕 ◎産業振興センター所長(内藤友行) 私からは、観光まちづくりに関する残りの御質問にお答えいたします。  まず、インバウンド施策に関する取り組みと評価に関するお尋ねですが、中央線あるあるプロジェクトでは、フェイスブックによる英語での情報発信、英語版のホームページの立ち上げ、飲食店の英語メニューの作成などを進めております。  また、区では、杉並アニメーションミュージアムにおいて、一部の展示物や館内案内パンフレットの多言語表記をしておりましたが、今年度は多言語音声ガイドの導入等を行っており、来年度はアフレココーナーを多言語化するなど、外国人の来街者がストレスなく見学できるようにしてまいります。  次に評価でございますが、中央線あるあるプロジェクトでは、フェイスブックの「いいね!」数が1年2カ月で約3,200件になるなど情報が拡散している一方、飲食店の英語メニューは活用が少ない状況であり、利用率の向上を早急に図っていく必要があると考えております。  また、杉並アニメーションミュージアムは外国人来館者が増加する傾向にあり、利用促進に一定の効果があったものと考えてございます。  今後も外国人の視点に立ってインバウンド施策を進め、外国人旅行者の増加を目指してまいります。  次に、観光の取り組みや周知に関する御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、インバウンド施策により商店街が外国人旅行者でにぎわう状況を生み出すなど、区民や商店街の方の目に見える形で事業を展開していくことが観光事業への理解と協力につながり、ひいては地域や商店街が我がまち杉並の魅力づくりに区と協働で取り組む契機となるものと認識しております。  現在、区民等への観光事業の周知としては、観光事業の中心に据えているあるあるプロジェクトのホームページやフェイスブックで、観る・歩く、食べるなどの観光情報を発信しているほか、区の地域情報サイトであるすぎなみ学倶楽部で区の歴史や文化などに触れることができます。  また、あるあるプロジェクトを多くの人に知ってもらうために、中央線をイメージしたロゴマークや、「なみじゃない、杉並!」のキャッチフレーズをJRの情報誌や商店街のフラッグなどにも活用していただいており、多くの区民の目にとまるように取り組んでいるところでございます。  次に、住宅都市である杉並の観光施策の推進に関するお尋ねにお答えします。  杉並区は元来住宅都市として発展してきており、治安や生活環境の面で平穏に暮らしている地域に文化や習慣の違う外国人旅行者が出入りすることに対しての不安は、当然に生じてくるものと認識しております。一方、地域に住む人が心地よいと感じるまちは、訪れる人にとっても心地よいと感じることができるのではないかと認識しており、地域の魅力の向上に向けた観光まちづくりは、区民にとっても来街者にとってもメリットがあるものと考えています。  魅力ある観光づくりとは、住んでよし、訪れてよしと言われており、そこに住んでいる区民がみずからの地域社会を愛し、誇りを持ち、今後も住み続けたいと願うまちづくりであり、住宅都市としての魅力をさらに向上させるものです。杉並区が目指しているインバウンドも含めた観光事業は、このような観光まちづくりであり、観光事業を推進することが住宅都市杉並の魅力を高め、将来にわたって地域の活力を維持し、さらに発展させていく原動力になるものと考えてございます。  今後もこの方向性のもとに、区民、商店街などとの課題の共有、連携を一層進め、積極的な情報発信による知名度向上、区民の生活の中で育まれた文化を中心とした観光資源の開発や旅行商品化などに取り組み、住宅都市としてのにぎわい・商機につなげてまいりたいと考えてございます。  次に、インバウンド施策に関する商店会連合会との連携体制と英語メニューに関するお尋ねにお答えします。  まず、商店会連合会との連携体制ですが、現在、中央線あるあるプロジェクトの構成メンバーとして事業への理解と協力をいただいており、商店街にプロジェクトのロゴやキャッチフレーズを配したフラッグの掲揚や、各店舗の売りを書き込めるポスターの掲示をお願いしているところです。  一方、外国人旅行者の英語のおもてなしなど、インバウンドへの連携が十分に行われている状況にはございませんので、今後、双方がウイン・ウインの関係でインバウンドによる経済的な恩恵が受けられるよう取り組んでまいります。  次に、中央線あるあるプロジェクトで実施した飲食店英語メニューですが、高円寺での200店舗の英語メニューの設置は余り例がない規模での取り組みであり、設置店舗への説明やフォローが十分でなかったため、一部の店舗で御指摘の状況が生じたものと認識しております。この事業は、設置店舗にも外国人旅行者にも喜ばれることが何よりも重要であることから、店主への理解を求めるとともに、外国人旅行者への対応の不安を取り除く策を講じることも重要です。  また、これまで取り組んできた事業につきましても、きめ細やかなアフターフォローを行うべきものと考えており、順次対応してまいります。  次に、区内在住外国人に関連するお尋ねにお答えいたします。  昨年12月末現在、区内には1万2,798人の外国人の方々が暮らしております。国籍、地域別では、中国が3,991人、韓国・朝鮮が2,584人、ネパールが1,153人、台湾は881人、ベトナムが805人などの状況となっております。  次に、在住外国人への接点ですが、杉並区交流協会で、ごみの出し方や防災など、地域で暮らすマナーやルールを会得し交流するウエルカムパーティーを実施しているほか、日本語教室、登録語学ボランティア講座を行っております。また、区の観光事業においては、高円寺フェスのボランティアやアニメーションミュージアムでの外国人来館者の対応、また、あるあるプロジェクトの外国人スタッフとしてかかわっていただいています。  次に、外国人の声を観光施策へ活用すべきとの御指摘ですが、外国人旅行者を呼び込むために重要なことは、外国人の視点に立ち、外国人の生の声を聞くことと考えております。外国人の生の声には、観光施策に係る大きなヒントが含まれていることから、今後さらに杉並区交流協会との連携やアンケートの機会などを充実させ、そこで得られたものをインバウンド事業などに反映させてまいりたいと考えております。  次に、外国人を対象とした体験型高円寺街歩きツアーと仮称杉並体験ツアー事業に関してお答えします。  まず、高円寺街歩きツアーですが、区の補助事業を活用して、地域の民間事業者が高円寺商店街連合会の協力のもと、外国人を対象にお寺の見学や阿波踊りの体験など、杉並の文化を体験するツアーを実施したものです。参加者からは、他の地域には余りないまちのガイドサービスがあってよかった、この企画を続けてほしい旨の声が多くあり、事業効果はあったものと評価しております。  次に、来年度予定している仮称杉並体験ツアー事業ですが、先行実施した高円寺街歩きツアーを踏まえて、商店街のお茶屋さんや呉服屋さんに協力してもらい、お茶の手前や着物の着つけなどの体験のほか、アニメーションミュージアムや地元の祭りなど、外国人旅行者が興味、関心を持つ日本の文化と杉並の文化を組み合わせて行う企画旅行として、旅行会社に売り込んでいくものでございます。  事業の実施に当たっては、ツアーを催行する旅行業者や体験場所を提供いただく地域の団体などと連携、協議を重ねるとともに、外国人旅行者の目を引き、ヒット商品となるよう、広報活動にも力を注いでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で大和田伸議員の一般質問を終わります。  44番大熊昌巳議員。       〔44番(大熊昌巳議員)登壇〕 ◆44番(大熊昌巳議員) 杉並区議会自由民主党・大熊昌巳です。通告に従い、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた杉並区の活性化策について、一般質問を行います。この後は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の名称を2020年東京大会あるいは東京大会と省略し、質問を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  質問に入ります前に、このたびの台湾南部地震による被害者の方々に向け、一日も早く復旧が進むよう願うところです。台南市のビル崩壊現場につきましては、連日痛ましい状況が報道されてまいりました。杉並区友好都市台北市の皆さんも心を痛めておられることとお察しいたすところです。心よりお悔やみとお見舞いを申し述べさせていただき、質問に移ります。  今、社会は少子高齢化が進み、今後、高齢化率が加速されてまいる状況にあります。今、私たちが暮らす社会と地域を、戦後の廃墟から奇跡的な復興をなし遂げてくださった高齢者の方々を支える社会の力が弱まっていく状況にあります。アベノミクス、一億総活躍、地方創生のもとに国政が進められておりますが、東京一極集中の状況は否めず、杉並区におきましても、その流れの中で人口が56万を超える状況にあります。人口がふえ、稼働年齢層がふえ、雇用が安定し、所得が上がり、地域の生活に好循環が示されているとはなかなか言いがたいところがあります。  そのような中、杉並区では、少子高齢化社会を先取りし、基本構想、総合計画、実行計画、施設再編整備計画などの履行、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定が進められる中で、杉並区の喫緊の課題である保育施設の増設、学童の増設、介護施設の増設が挙げられてまいりました。今まずやるべきことがある、今必要なことを解決できずに将来があるのかとの田中区長の不退転の決意が区政に反映され、保育需要への果敢な取り組みが示されていると理解いたすところです。私はこれらを、腰を据え、ぶれずにと評価をいたすところです。  さて、このたびの一般質問の通告に挙げました2020年東京大会は、2013年、日本時間平成25年9月8日日曜日の早朝に、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたIOC総会で決定されました。当初、東京都は2016年、ことしの東京大会を第一目標と掲げ、2009年のデンマーク・コペンハーゲンのIOC総会に期待を託しましたが、日本は招致活動に敗れましたが、続けて2020年東京大会開催を世界にアピールし続け、実績が高く評価されたと私は理解をいたしております。その流れは田中区長も御存じのことと思います。  2020年東京大会決定の興奮冷めやらぬ翌日9月9日月曜日から第3回定例区議会が開催され、初日、一般質問のトップバッターとして私は質問に立ち、決定された2020年東京大会に向けた田中区長の抱負をお示しいただきました。田中区長から、当時、以下のような抱負が示されましたので、御紹介をさせていただきます。それでは、読み上げさせていただきます。  「昨日の早朝、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市に東京が決定との朗報が届き、大変うれしく思っております。  私は、4年前コペンハーゲンで行われました2016年のオリンピック・パラリンピック開催都市を決めるIOC総会に、都議会の代表として出席しておりました。落選が決定した瞬間の日本代表団の表情や控室の中の状況など、いまだに忘れられない光景として覚えております。私自身、非常に残念な思いをいたしましたので、今回2020年の招致活動は、ぜひ成功してほしいと強く願っておりました。  前回の東京オリンピックのときは、私はまだ3歳でありましたので、はっきりした記憶はございませんが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、杉並区民の皆様の機運を盛り上げるためのさまざまな仕組みをオール杉並で考えて、地域の活性化へとつなげてまいりたいと思っております。  このたびの東京でのオリンピック開催は、子どもたちに大きな夢と希望を与えるものと確信をいたしております。また、7年後には、現在の小中学生がアスリートで活躍していることも見られることでありましょう。また、オリンピックを担う世代になっていることでありましょう。  今回の朗報は、現在区が意を用いて進めている次世代に夢と希望を与える次世代育成支援の取り組みは、今後ますますその必要性が高まることを証明したものと確信をいたしました。今後、次世代育成支援の観点から、次世代育成基金の拡充はもとより、2020年オリンピック・パラリンピックを視野に入れたスポーツ環境の整備、バリアフリー化の促進や小中学生の国際交流の推進など、さまざまな分野での取り組みを進めてまいります。区議会の皆様におかれましても、ぜひご協力のほどよろしくお願いをいたします。」  以上です。  当時、あと7年あるから、はや3年が過ぎ、あと4年へと年月が過ぎております。この間、新国立競技場の整備問題、大会エンブレムのデザイン盗作問題、大会運営費見積もり計算の誤り、高速道路の使用問題など、諸問題が生じてまいりました。また、東京湾ベイエリアに集中させた競技場を一部東京近県に移すなど、競技場整備にも変更がありましたが、今やっと、2020年東京大会に向け、一応の落ちつきが出てきたように理解をいたすところです。  今まで申し述べさせていただいたことは東京大会の競技にかかわることであり、2020年東京大会に向け、さきにお示しいたしました田中区長の抱負のように、いよいよ開催都市東京の基礎自治体杉並区が2020年をどのように迎えるのか、多くの区民の方々に喚起を示していかなくてはならないときが来たと私は強く思うところです。  ことしはブラジル・リオデジャネイロ大会が8月5日より始まり、閉会式が8月21日に行われます。その閉会式においてリオから東京へ五輪旗の引き継ぎが行われ、4年後、2020年7月24日が東京大会の開会式です。あと4年ではなく、4年しかなく、プレ大会を考えるのであれば、実は正味3年の年月しか残っていないことになります。  そのような中で、2020年東京大会において杉並区・区民が望むおもてなしのボランティア活動、民泊、区内商店街のにぎわいの創出、区内公立学校に通う小中学生たちがみずから企画するオリンピック・パラリンピック活動など、さまざま考えられます。  多くの区民が、2020年東京大会において、みずからが何か協力、お手伝いがしたい、みずからが世紀の祭典オリンピック・パラリンピックに何かの形でかかわりたい。2020年東京大会はアスリートたちのためだけのものではなく、広く国民、区民の参加が必要であり、何か特別に考えるものではなく、ごくごく当たり前に受け入れられるべきものと私は考えております。その思いを実現させるために区民運動をと考え、行動を起こし、実現させたいとの思いを持つ区民がおられます。  2020年東京大会は、さきに申し上げましたが、新国立競技場の整備の問題などを通して広く国民に、また区民に、オリンピックとは何ぞや、どうあるべきものなのかとの思いを持たせてくれたと考えます。そのオリンピックとは何ぞや、どうあるべきものなのかとの観点から、改めて2020年東京大会のボランティア活動にかかわりたいとの区民がおられることも事実です。  今、区民の方々からは、2020年東京大会で、ボランティア活動にとどまらず、地域でホームステイのような宿泊を行いたいとの声が上がっております。そのような宿泊に関心を持たれている区民の方々は、その抱負を語る中で、食事の面がどうしてもネックになってしまい、地域の区民センターなど公的な場を使用し、地域皆で食事の準備を行うか、地域の食堂やレストランの協力を求め、宿泊を地域の力でとの思いがあります。私は、杉並区が独自に地域で支える宿泊策が示され、広がりを見せることができればと思います。  私のスポーツ経験においても、国内ではありますが、国体において、今申し述べたように、地方の町の各家庭に宿泊させていただき、町の公民館を利用してチーム全員で食事をいただく方式がとられ、宿泊先のお宅だけではなく、食事のたびに町の方々との触れ合いがあり、宿泊先の方とは、練習の合間にお茶をごちそうになったり、いろいろな思い出が今も鮮明に残っております。そのような体験を私は佐賀県の神埼町、和歌山県の打田町でいたしました。その国際版が大いに期待できるものと私は思います。  先ほど、我が会派の大和田議員から高円寺の紹介がされました。代表質問においても2020年東京大会に向けさまざまな質問がなされ、前向きな答弁があったと理解をいたすところです。杉並区・区民こぞって東京大会への意識が高まる中で、オリンピックレガシーの醸成につなげることが大切であると考えます。  さて、2020年東京大会と同時期に区内のお祭りやイベントを開催することが考えられます。高円寺の阿波おどり、阿佐谷の七夕、すぎなみフェスタの開催も考えられます。東京大会を中心に、大会前後、期間中にいかに杉並区へ多くの人々を招くことができるか、そのプランを区民の方々から募ることも大切と考えます。特に、今活躍の場を求めている杉並区の若いIT起業者たちのアイデアの活用も考えられます。  私が暮らす久我山のホタル祭り、ホタルサミットについても、海外から来られる方々に日本の神秘的な蛍の紹介を行うべきと考えます。6月中旬以降に蛍を生息させることは難しいので、その神秘性について、映像を利用したり、若者たちが得意とするIT技術を利用し、アイデアを募ることも大切と考えます。  東京大会を契機に、海外からの来訪者の方だけではなく、区民の方々にも区内の祭礼やイベントに改めて目を向けていただき、区民生活の再発見をしていただくことも大切と思います。祭礼やイベントの新たなる継続の力を、東京大会を契機に蓄えることもできると思います。  話は変わりますが、今、ニューヨークでラーメンがはやっているとのことです。杉並区においては、元祖荻窪ラーメンが海外からのお客様を喜ばせるのではと思います。そのような発想から、区内の食の紹介を求めれば、たくさんの情報が寄せられると思います。東京大会を契機に、杉並区の活性化の切り口は無限大のように思えます。  世界のスポーツの祭典2020年東京大会において、区民サポーターによる多様性に富んだ区民活動と日常の区民生活が海外からの来訪者に紹介されることで、真の国際交流が生まれると同時に、区民活動が育む区民レガシーが生まれ、次世代に引き継がれ、杉並区の発展が見出されてまいると私は考えております。
     2020年東京大会では、区民によるさまざまな活動と、もう一つ大切なことがあると思います。東京大会で行われる競技を杉並区・区民が体感することであると考えます。区内で事前調整のトレーニングを行う国があれば、ボランティアで選手の送迎のお手伝いをしたい、選手の身の回りのお世話をしたいとの思いを持たれる方々がおられると思います。よりオリンピック・パラリンピックを体感したいとの思いを持つ区民の方々が必ずおられると思います。区内に海外のナショナルチームを招いて大会の事前調整を行う場を設けてまいることも大切であると考えます。そこに、先ほど申し述べたような杉並区独自の宿泊策が生かされてまいると思います。  また、富本会長以下、スポーツ議連が強く求め、今後整備されるビーチスポーツ施設や都立済美山公園を大いに活用すべきと考えます。これらの施設の他にも、田中区長の母校である明治大学の区内和泉校舎内にある体育施設を利用することも可能であると思います。私ごとではありますが、そのような中で、ヨーロッパの強豪ハンドボールチームを区内に招くことも可能になります。もしこれらの動きに国が進めるホストタウン構想を導入すれば、国からの財政支援なども可能となります、  先日10日に行われました代表質問において、我が会派井口幹事長より、2020年東京大会に関連し、区施設であるビーチコートを取り上げた際に、田中区長から、2020年対策として区立施設以外の施設に関しても整備の検討を行うとの答弁があり、大いに期待をいたすところです。  1964年東京オリンピックに触発され、その感動を胸に若かりしころ競技スポーツの世界に身を置き、スポーツを通して多くを学び、私は今日を迎えております。開催都市東京に住む一都民として、杉並区の一区民として、そして杉並区議会に参画する一議員として、2020年東京大会に向け、一人でも多くの方に区民意識を高めていただき、ボランティア活動などの区民活動が広がることを心から願うところです。  区は、ボランティア活動などが区民活動的な形で行われることがふさわしいとお考えのことと思いますが、東京大会は規模が大きく、区民活動だけでは限界があるように思います。私は、東京大会へ向けたボランティア活動などを行いたい区民の方々へ、区の協力体制を示すことが必要と思います。協働との考えもあると思います。区民あってのおもてなしやボランティアですが、区が区民各界各層の方々の代表による2020年東京大会区民懇談会を早急に開催する必要があるのではないかと考えます。私は、区の今後のスタンスを示す必要があると考えております。  るる述べさせていただきました。そこで質問をいたします。  区民が行うボランティア活動の機運を醸成していくためには、区民の各界各層の意見を取りまとめて懇談会を設けるべきと考えますので、区の御所見をお示しください。  また、東京大会を4年後に控え、多くの区民の方々が2020年東京大会に期待を寄せる中で、さまざまな方法で区民の機運を上げるべきと考えますが、今後4年間の区のスタンスをお示しいただきたいと存じます。  先ほど、平成25年3定における田中区長からいただいた答弁を読み上げさせていただきました。その中に、杉並区民皆様の機運を盛り上げるためのさまざまな仕組みをオール杉並で考えて、地域の活性化へつなげるとありました。まさにきょう、この場で、2020年東京大会に向けた区の活性化策が加速、拡大されるよう願い、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私から、大熊昌巳議員の2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する御質問にお答え申し上げます。  本年開催されますリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会終了後には、次の開催地でございます東京に世界の注目が集まりまして、2020年東京大会に向けた機運が一層高まって、いよいよその準備に向けた動きが加速化をしていくこととなります。  杉並区内には、残念ながらオリンピック・パラリンピック競技が開催される会場はございませんが、私は、首都東京で行われるこの大会は、区民がオリンピック・パラリンピックに直接かかわり、夢を描き、感動を心に残すことができる千載一遇のチャンスと考えております。  私は、3年前に御答弁をさせていただきました区民の皆様の機運を盛り上げるさまざまな仕組みをオール杉並で考える、こういう思いを今まさに実現に移していくときでないかと思っております。そのためには、御指摘のとおり、区民が主体的に参加し、行動し、さまざまな意見を交換することができる仕組みをつくっていくということが大切であると受けとめておりまして、今後、そうした仕組みづくりにつきまして検討してまいりたいと存じます。  また、御提案をいただきました区民が望むおもてなしのボランティア活動、外国のオリンピック・パラリンピック関係者が区内の家庭に泊まる民泊、あるいは高円寺の阿波おどり、阿佐谷の七夕といったイベントの同時開催、さらに外国チームが練習会場として区内施設を活用する可能性につきましても、関係者を初めとした区民の御意見を踏まえまして、多面的に検討をしてまいりたいと思います。  これらの課題に対応していくためには、区といたしましても、この議会が終わりますと、区の組織の定期人事の時期になりますけれども、この機を捉えまして、組織体制の強化を図って、これまで以上に力を注いでまいりたいと思っております。中身はまだ申し上げるわけにいきませんが。  私は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会という、スポーツと文化が融合した世紀の祭典が開催される機会を最大限に活用し、区民の夢と希望を育み、多くの区民が後世にオリンピック・パラリンピックのすばらしさと感動を伝えていかれるように取り組んでいく考えでございます。  また、世界で大変多くの国が参加をする、そして個々の競技団体、これを全部合わせますと1,000を超えるコミュニケーションの相手、対象ということになります。そういう中で、杉並とそういった個々の競技団体も含めたコーディネートをどうやってうまくやっていくかということにつきましては、さまざまな関係者の皆さんの人脈や情報というものを集めて、そして最善の策を効率よくとっていくということが必要になろうかと思いますので、そういった意味においても、大熊議員におかれましては、これまでの御経験をぜひ私どものオリンピック機運の醸成に生かしていただきますように、御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げまして、私からの御答弁とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で大熊昌巳議員の一般質問を終わります。  10番藤本なおや議員。       〔10番(藤本なおや議員)登壇〕 ◆10番(藤本なおや議員) 自民・無所属・維新クラブの藤本なおやです。通告に基づき、都市計画道路の整備に伴うまちづくりについて伺います。  昨年12月18日、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)案が公表されました。これまで東京都と特別区などは、都市計画道路を計画的に整備するため、過去3回にわたり事業化計画を策定し、事業を進めてきましたが、現行計画である第三次事業化計画の計画期間が今年度末までとなっており、平成28年度以降の整備方針策定作業が現在行われております。  このような中、昨年5月には都区共通の見直し指標案を中間のまとめとして作成され、パブリックコメントが行われましたが、今回示された整備方針案では、パブコメの結果を受けて中間のまとめからどのような点が変更されたのか、理由もあわせて伺います。  私はこれまでの議会において、第四次事業化計画の策定過程においては、平成16年からの12年間にわたる現行第三次事業化計画の検証がまず必要であり、その検証結果を十分精査した上で次期計画に移行すべきと主張してまいりました。そこで、現在の都市計画道路の完成率はどうなっているのか、東京都全体と23区部、さらには杉並区内、それぞれの整備状況について伺います。  また、区内の都市計画道路整備は12年前の第三次事業化計画策定当時からどの程度整備が進んだのか進捗を伺い、都市計画法に基づく事業認可等にまで至ったいわゆる事業着手の実績についても確認をしておきます。  次に、第四次事業化計画案では四つの基本目標と15の検証項目を設定し、未着手区間を対象とした必要性の検証が行われましたが、この検証結果について確認をしておきます。  また、杉並区内に計画されている都市計画道路は34路線ありますが、今回見直し候補路線となりませんでした。長期間未着手のまま塩漬けにされ実現性に乏しい区内路線については、大胆な見直しが今回必要だったのではないかと思いますが、区の見解を求めます。  次に、必要性が確認された路線のうち、平成28年度から37年度までの今後10年間で優先的に整備すべき路線が選定されましたが、この選定に当たっては、六つの選定項目が示されました。その内容について確認をしておきます。  また、第四次事業化計画案において、区内で優先整備路線候補に選定された路線はどこか、それぞれの選定理由についても伺います。  東京都では、今定例会の初日に当たる先週の10日まで、第四次事業化計画案へのパブリックコメントを募集しておりましたが、この周知についてはどのように行われたのでしょうか、伺います。また、今回行われたパブリックコメントの結果について、いつごろまとめられ、公表されるのか伺います。  一方、区では、本年1月4日から8日まで、区役所2階の区民ギャラリーにてパネル展を開催し、区民への周知を図っておりましたが、今回の案で優先整備路線候補となった地区については、地権者などはもとより、地元町会や商店街など、個別に周知が必要であったのではないかと思います。今後さらに周知に努め、丁寧に進めることをここで要望しておきます。  ここからは、第四次事業化計画案で優先整備路線候補となっている区施行の補助227号線及び221号線に絞って深掘りをさせていただきます。  初めに、補助74号線から高円寺駅北口までの区間、以下227号線と省略をさせていただきますが、この計画の概要、さらに計画用地にかかる対象戸数、また用地買収等の事業費についての財源について確認をしておきます。  227号線の整備に関連して、過去、高円寺駅北口周辺の駅前再開発事業が頓挫するという歴史的な背景がありましたが、この再開発事業がなくなったことで、都市計画道路の計画自体もなくなったと誤った認識をされている地元住民は少なくありません。他方、第四次事業化計画案が公表されてから、耳目はすっかり次期計画へと集まっておりますが、しかしその前に、現行第三次事業化計画において既に区施行優先整備路線に指定されながらも、この12年間未着手となるであろう当該路線の事業はなぜ進まなかったのか。過去に頓挫した再開発事業の内容とあわせて、現行計画期間内において区は事業化に向けどのような取り組みを行ってきたのか、確認をしておきます。  ここからは、地域の防災性向上という観点から、227号線について伺ってまいります。  私は平成16年の予算特別委員会で227号線の整備について伺いましたが、当時、区は、全体的な交通網と防災性の向上のためにこの路線の整備が必要だと答弁をされておりました。その後、平成25年9月に地震に関する地域危険度測定調査結果が東京都より公表され、227号線の未整備地域である高円寺北3丁目エリアは、災害時活動困難度を考慮した危険度で、建物倒壊危険度がランク4、東京都全体では168位、火災危険度では最高ランクである5と格付をされ、東京都全体でも63位、総合危険度はランク4の103位となり、区内で最も総合危険度が高い地域と位置づけられました。  そこで、この高円寺北の地域で未完の227号線が整備された場合、このエリアにおける災害危険度はどの程度下げることができるのかをシミュレーションなどによって把握をすべきであります。また、このようなデータに裏づけされた道路整備の必要性と効果は、227号線の整備地区以外でも、今後、地元住民に対してしっかり説明すべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、東京都では、平成22年1月に改定した防災都市づくり推進計画において、延焼遮断帯の形成について一つの考え方を示しております。この内容は、道路等の幅員16メートル以上24メートル未満の場合、沿道建築物の不燃化率が60%以上、道路等幅員が11メートル以上16メートル未満の場合には、沿道建築物の不燃化率が80%以上である場合、延焼遮断帯としての機能を発揮するとの考え方を示しております。  こうしたことから、防災都市づくり推進計画での延焼遮断帯機能をこの227号線に持たせようとするならば、道路の拡幅とあわせて沿道建築物の不燃化にも取り組む必要があります。そこで、現状、227号線部分の不燃化率を確認し、あわせて227号線完成後の沿道建築物の不燃化率について区の考えを伺います。  また、今回公表された第四次事業化計画案の本文中に、優先整備路線の選定項目の3、高度な防災都市の実現の記載において、阪神・淡路大震災における道路幅員と道路閉塞との関係性が例示されております。この内容では、沿道の建物が倒壊しても、道路幅員8メートルから10メートル以上あれば車両通行可能とのことであります。  このように、道路幅員に対する延焼遮断帯機能や道路閉塞との関係性を考慮すれば、227号線の整備理由としてこれまでに示されてきた防災性の向上という理由には一定の理解を示すものの、計画上の道路幅員は本当に18メートルも必要なのかという疑問がないわけではありません。防災性向上という視点から227号線の計画幅員18メートルの必要性について区の見解を求めるとともに、地域の防災性を向上させるためには、都市計画道路の整備だけで完結するものではなく、建物の不燃化や耐震化を向上させる政策誘導などを積極的に図って、総合的なまちづくりが必要と考えますが、区の見解を伺います。  次に、商店街振興の面から227号線について伺います。  補助227号線の未着手部分は、高円寺駅の北口で最もにぎわいのある純情商店街、そして庚申通り商店街を貫く計画となっております。現在の両商店街は、自動車等の車両通行が時間帯で大幅に規制されており、通過交通の流入の規制が歩行者中心の道路空間として確保され、現状の適度な道路幅員と相まって、まちのにぎわい創出や魅力にもなっていると言われております。  しかし、227号線の整備によって現有二つの商店街の形状が変更されるばかりか、拡幅により車両等の交通量は増加をし、これまで気軽に商店街を横断していた買い物客の動線は分断され、結果、歩行者、買い物客は減少し、これまで高円寺北エリアの目抜き通りとして発展をしてきたにぎわいが失われてしまうのではないかといった、地元住民、地元商店街から不安の声が既に多数上がっております。  そこで、227号線の計画区域にかかる純情商店街、庚申通り商店街における現況の交通量と、227号線の未着手区間が完成した後、この区間における車両交通量はどれくらいふえると想定をしているのか伺います。  さらに、現在二つの商店街における車両通行規制は、これまでの商店街振興にどのような役割を果たしてきたと区は考察しているのか伺います。  そして、商店街振興の観点から、商店街を貫く227号線が完成した後、高円寺北地域のまちのにぎわいにどのような影響を及ぼすと考えているのか。また、今後、まちのにぎわいを確保するために必要な施策を区はどのように考えているのか伺います。  東京オリンピック・パラリンピックの開催を4年後に控え、高円寺を訪れる来訪者をふやし、地域経済の活性化に結びつけていこうとしている中、オリンピック開催前に227号線を整備し、供用を開始することができるのでしょうか。実際には、これまでの進捗状況を見れば、オリンピックまでに整備完了する見込みはゼロに等しく、中途半端な時期に事業に着手し、ところどころで用地買収が残っている状態でオリンピック大会を迎えてしまうと、商店街の連続性は損なわれ、まちのにぎわいに著しい影響を与えるものと考えられます。  そこで、227号線が第四次事業化計画で引き続き優先整備路線に指定された場合、商店街振興との関連から、事業着手の時期は、オリンピック開催時期を考慮し、慎重に対応すべきと考えますが、見解を求めます。  次に、町会・自治会活動など、地域コミュニティーへの影響について伺います。  227号線の未着手区間の周辺地域は家屋が密集しており、このような地域に都市計画道路を整備すると、既存コミュニティーが分断されるなど影響が考えられます。また、当該未整備区間の地元町会や商店街の名前には「庚申」の名を冠し、その名前の由来となっている庚申塔は1716年に建立され、以来、まちのシンボルとして長く地域住民により大切に受け継がれ、保存されてきました。  余談ではありますが、この庚申塔はことし300年を迎えることとなり、この秋には地元高円寺北庚申文化会と高円寺庚申通り商店街を中心に記念行事が行われる予定となっております。  このように、江戸期より300年間、地域の守り本尊としてあがめられてきた庚申塔でありますが、その所在地は227号線の計画線の真上にあります。都市計画道路の整備に当たっては、郷土史的にも貴重な地域財産ともいうべき庚申塔への配慮や町会活動など、まちのコミュニティーへの影響などにも配慮して丁寧に進めていくことを要望いたしますが、区の見解を求めます。  次に、二つ目の区施行優先整備路線候補に挙げられている補助221号線について伺います。  初めに、環状7号線から中野区境までの区間、以下221号線としますが、この路線の計画概要、計画用地にかかる対象戸数、また用地買収等の事業費についての財源について伺います。  当該路線の北側には、平成31年4月に高円寺中学校の校地に施設一体型による小中一貫教育校が開校予定となっておりますが、優先整備路線として221号線が整備をされ拡幅されることにより、この道路の交通量はどのくらい増加すると見込んでいるのか伺います。  また、この学区域内には、都市計画道路227号線、221号線の2路線が優先整備路線として選定をされており、都市計画道路の完成後、新校の通学路の安全性はどのように確保していくつもりなのか伺います。  221号線については、今回の事業化計画で初めて優先整備路線に選定をされたことから、計画線上の土地・建物所有者や地元町会などの周辺住人、さらには学校関係者なども含めて今後丁寧に説明し、周知を図る必要があると思いますので、重ねて要望をしておきます。  次に、第四次事業化計画案における建築制限の緩和について伺ってまいります。  初めに、都市計画道路区域内における建築行為の制限について、東京都では昭和56年以降、都市計画法第54条の許可基準に対して制限の緩和を行ってきましたが、このたびの整備方針案では新たな建築制限緩和の基準が示されました。これまでの経緯及び今回の整備方針案に規制緩和の拡大を盛り込んだ背景や理由、その内容についても伺います。  さらに、第四次事業化計画が始まって以降、優先整備路線区域内でこの建築制限緩和策を活用し、建てかえを行おうとした場合、供用開始までの一連の事業進行の中で、どの段階までなら制限緩和策を用いての建てかえが可能なのか、確認をしておきます。  また、現在計画期間中である第三次事業化計画において、優先整備路線の計画区域にかかる区域内の建てかえは、この12年間でどのくらい進んだのかも確認をしておきます。  次に、第四次事業化計画案では建築制限緩和策の対象を優先整備路線を含む全ての路線とし、これまでより対象を拡大されことは大変評価をするものであります。特に227号線の未着手区間のように、この12年間優先整備路線に指定されながらも整備事業は進まず、かつ厳しい建築制限がかけられ、商業地域でありながら有効的な建てかえができずに、建築物の不燃化対策も十分進んでこなかった地域においては、この新たな緩和策の活用によって滞っていた建てかえが進み、地域の防災性向上も期待されるところであります。  一方で、商店街を通る計画区域内での建てかえが一気に進んだ際、商業用途以外の建物が多数建築をされ、店舗の連続性が損なわれる懸念もあります。このような対策として、1階店舗の主たる用途を商業用途に限定するなど新たなルールづくりが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。  優先整備路線区域内での建築制限緩和は、土地や建物所有者にとって、これまで事業着手の見通しもないまま建てかえができず膠着していた状態から一歩前進をし、歓迎する声がありますけれども、道路整備の施行主体である行政側の立場からすれば、建築制限緩和策を活用し、建てかえ間もない地権者などとの用地買収交渉は難航、長期化が懸念をされ、整備完成までにこれまで以上に時間がかかってしまう可能性があるのではないでしょうか。また、補償費用の上積みとしてもはね返り、財政面での課題もあるのではないかと思いますが、優先整備路線における建築制限緩和策に対する区の課題認識を伺います。  この質問の最後として、このたびの第四次事業化計画案で区施行優先整備路線が4路線選定をされましたが、次年度からの10年間での整備の実現性についてはどのように考えているのか。あわせて第四次事業化計画に向けての区の意気込みや決意について伺い、私からの質問を終わらせていただきます。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、藤本なおや議員の御質問のうち、都市計画道路の第四次事業化計画への取り組みについてお答え申し上げます。  私は、まちづくりは道づくりであると言っても過言ではないと思っております。道路は区民生活に最も身近で重要な都市基盤でありまして、災害に強く、安全・安心に暮らせるまちの実現には、狭隘道路の拡幅整備や都市の骨格となる都市計画道路の整備が必要であることは、常に申し上げてきているとおりでございます。  現在、平成28年度から10年間の計画期間となります第四次事業化計画の検討が進められておりますが、選定された優先整備路線については、広く区民の御意見を伺いながら、都とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。  もちろん、杉並区のような既成市街地に新たな道路を整備するとなると、そう簡単に事業が進むものではございません。道路の計画線にかかる区民にとっては生活そのものにかかわることでありまして、必ず反対の意見も出てくることでしょう。まちのにぎわいですとか住環境といったことでの利害の衝突というものは、道路整備についてはつきものだと思っております。しかしながら、私はそういった議論を大切にして、将来を見据え、さまざまな御意見をお聞きしながら合意形成を図っていくということが重要だと考えております。  これからの都市計画道路の整備に当たりましては、安全・安心に暮らせるまちを次世代に引き継ぐことができるように、全力を尽くしてまいりたいと思います。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(はなし俊郎議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(浅井文彦)登壇〕 ◎土木担当部長(浅井文彦) 私からは、都市計画道路に関する残りの御質問にお答えいたします。  初めに、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)案に関する一連の御質問にお答えいたします。  現在の杉並区における都市計画道路の整備率は約49%であり、平成25年度末現在の都内の整備率約62%、23区の約64%と比較しても整備がおくれている状況でございます。  東京都と特別区及び26市2町では、都市計画道路を計画的、効率的に整備するため、これまで、おおむね10年間で優先的に整備する路線を定めた事業化計画を過去3回にわたり策定し、事業の推進に努めてまいりました。  しかし、平成16年度からの第三次事業化計画では、区部における優先整備路線の着手率は都施行が約57%、区施行が約35%となっており、平成15年度からのおおむね10年間で、都内における整備率は7%の増となっております。第三次事業化計画における優先整備路線のうち区内で事業着手しておりますのは、放射第5号線、放射第23号線の一部にとどまっております。  こうした中、平成28年度からの10年間における整備方針案及び事業化計画案の策定に向け、昨年5月に中間のまとめ、12月には優先整備路線を含む整備方針案を都及び関係区市町の広報及びホームページで公表し、パブリックコメント、パネル展示等を実施いたしました。  中間のまとめでいただきました御意見から、整備方針案における基本目標の設定において、生産年齢人口の減少に関する考察を追加するなど変更を行っています。今後、整備方針案のパブリックコメントの結果につきましても、時期は未定でございますが、公表してまいります。  今回の整備方針案では、都市計画道路ネットワークの検証を、15の項目に照らし、その必要性について検証しております。区内の都市計画道路につきましては、全て必要性が確認されておりますが、都内全体では、いずれの項目にも該当しない9区間、約4.9キロを見直し候補区間として位置づけております。  検証の結果、必要性が確認された路線のうち、骨格幹線道路網の形成、自動車交通の円滑化、高度な防災都市の実現、地域の安全性の向上、拠点形成と拠点間連携、地域のまちづくりへの貢献の6項目により優先整備路線を選定しており、区内では都施行路線として放射第23号線、補助第61、62、74、133号線の5路線6区間が選定され、区施行路線として補助第132、216、221、227号線の4路線4区間を選定しています。主な選定理由といたしましては、骨格幹線道路網の形成、地域の安全性の向上、自動車交通の円滑化、高度な防災都市の実現、拠点形成と拠点間連携、地域のまちづくりへの貢献となっております。  次に、補助第227号線に関する一連の御質問にお答えいたします。  今回の案で優先整備路線といたしました区内の補助第227号線は、高円寺駅北口から純情商店街及び庚申通り商店街を抜け、早稲田通りまで南北に計画されています。延長は約420メートル、計画幅員は18メートルから21.5メートルで、計画線にかかる家屋の戸数は、地形図上では約70戸でございます。  都市計画道路の整備に係る事業費につきましては、可能な限り国及び都の交付金等を活用してまいります。  交通量につきましては、平成22年度に区が実施した調査では、現況の区道における12時間の自動車交通量は111台となっております。今回の検証における将来の交通量予測は明らかになっておりませんが、検証項目の一つである、1日当たり6,000台以上の交通量が予測される路線の指標である交通処理機能の確保には該当しております。  防災性についてのお尋ねがございました。補助第227号線が整備された場合の災害危険度の変化等については、来年度実施予定の地震被害シミュレーションの中で把握してまいります。さらに、この結果については、広く区民の皆様と共有していく考えでございます。  また、沿道の不燃化率につきましては、道路整備に伴い、沿道建築物の更新などから不燃化率の向上が期待できるものと考えております。  18メートルの計画幅員につきましては、災害時における救援救護、避難場所へのアクセス向上や道路ネットワークの観点などから必要な幅員と考えております。  なお、整備をするに当たっては、沿道土地利用の状況などの地域特性を考慮し、周辺まちづくりと一体となった取り組みを進めてまいります。  また、過去にこの地域では、補助第227号線を含む地域を第二種市街地再開発事業で面的に整備するという都の計画がございましたが、さまざまな御意見があり、具体化には至りませんでした。その後、区において都市計画道路の整備に関するアンケート調査も行っております。
     227号線に関する御質問の最後になりますが、事業着手時期についてのお尋ねがございました。現在のところ、着手時期は未定でございます。これまでの経緯を踏まえ、地域の方々の御意見を伺い、さらに、まちのコミュニティーやにぎわいにも配慮しながら丁寧に進めてまいります。  続きまして、補助第221号線に関する一連の御質問にお答えいたします。  補助第221号線は環状7号線からJR中央線の北側を線路に並行して走り、中野区へつながり、区内の延長は約290メートル、計画幅員16メートルの都市計画道路でございます。計画線にかかる家屋の戸数は地形図上では約40戸でございます。  交通量につきましては、平成22年度の区の調査では、現況の区道における12時間の自動車交通量は1,530台でございます。補助第227号線と同様、将来交通量は明らかになっておりませんが、1日当たり6,000台以上の交通量が予測される路線の指標、交通処理機能の確保に該当しております。  また、児童生徒の通学の安全性につきましては、事業実施の際に十分な広さの歩道を整備するなど、安全性の向上を図ってまいります。  次に、建築制限の緩和に関する一連の御質問にお答えいたします。  優先整備路線は10年間の計画期間の中で着実に事業化を図ることとしていますが、その着手時期につきましては、路線によって異なってまいります。事業着手時期が不明確な中、地権者の生活設計や土地の有効利用に配慮し、今回の整備方針案では、3階建てニーズへの対応、地権者の負担軽減、円滑な事業の推進への影響等を総合的に勘案し、これまで優先整備路線以外を対象としていた建築制限緩和の範囲を全ての路線に拡大することとしたものです。  建築制限緩和の適用期間につきましては、今回の案では未着手の都市計画道路の区域としており、事業認可を取得するまでの期間で適用されることとなります。  第三次事業化計画の優先整備路線沿道における計画期間中の建築状況につきましては、平成27年12月現在、建築計画概要書によりますと、区施行である補助132号線、215号線、227号線の3路線合わせて約40件でございます。  都市計画道路の整備に伴う用途に関するルールづくりにつきましては、都市計画道路事業が周辺に多大な影響を及ぼすことから、事業を進める際には、周辺地域の方々の御意見を十分お聞きしながら、まちのにぎわいなど、沿道のまちづくりとあわせて検討してまいります。  私からの最後になりますが、優先整備路線における建築制限の緩和に関する課題についての御質問ですが、建築制限の緩和により将来的に補償費への影響はあるものと考えますが、地権者の負担軽減等への配慮も重要でありますので、今回新たな考えを示したものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(内藤友行)登壇〕 ◎産業振興センター所長(内藤友行) 私からは、227号線整備に伴う商店街振興のうち、所管に関する御質問にお答えいたします。  御指摘の高円寺純情商店街と庚申通り商店街は、高円寺北や中野にお住まいの方が高円寺駅へ向かう経路に位置する商店街で、商店も多数あり、大変にぎわいのある商店街となっています。  買い物時間と重なる午後3時から午後8時までの車両通行禁止は、道路が狭い現状において、車両に気兼ねなく安心して買い物ができる状況をつくり、商店街の活性化に寄与していると考えてございます。  次に、227号線の完成後のにぎわいにつきましては、引き続きこれらの商店街は駅への経路となることには変わりありませんが、道路が拡幅されることによりまして、商店街の雰囲気や人の往来に変化が起こることも想定されようかと考えてございます。  最後に、完成後のまちのにぎわいを確保するために必要な施策についてですが、完成後も引き続き商店街のにぎわいを確保していくためには、区民や来街者が安心して歩けて、楽しく買い物ができるような歩行空間の確保とともに、これまでの高円寺純情商店街と庚申通り商店街の風情を少しでも残しておくことなど、さまざまなことが考えられますが、当事者である商店街の方々の声に十分に耳を傾けて、区としても必要な支援策を考えてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で藤本なおや議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時39分休憩                                   午後1時開議 ○議長(はなし俊郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  3番小林ゆみ議員。       〔3番(小林ゆみ議員)登壇〕 ◆3番(小林ゆみ議員) 自民・無所属・維新クラブの小林ゆみです。本日は、民泊、在宅ワーク、そして性的マイノリティーについての質問をさせていただきます。  まず、民泊についてお伺いします。  去年、東京都内では、ホテルの客室稼働率は8割を超え、その予想を上回る観光客増を鑑み、政府が2020年のインバウンド旅行者の目標値を2,000万人から3,000万人へと引き上げたことも話題となりました。観光地としての日本の魅力は、豊かな文化、歴史に加え、治安のよさ、安全性が大きな要素であり、多くの観光客の方々が訪れるということは、それら日本の魅力が外国の方々に高く評価されている結果と言えます。それにもかかわらず、インバウンドを目的としたビジネスにより逆に治安が悪化してしまうと、本末転倒と言えます。実際に、昨年11月に発生したパリ同時多発テロでは、犯行グループが民泊に似た形で借りたアパートが潜伏先となっていました。犯行グループは、潜伏先を選ぶ際、身元申告が必要であるホテルを避けたと言われています。  また、民泊に対して、多くの人が不安や懸念を抱いているのではないかと思えるケースもあります。昨年12月に福岡市で大型コンサートが立て続けに開催された際、福岡市は一時的に民泊を許可し、貸し主を募集したことがありましたが、応募は38件で、市が最終的に民泊を認めたのは22件のみでした。  確かに、外国人の方々に日本の日常を知ってもらうということは重要ですが、異文化交流は、体験型の宿泊やホームステイで十分に対応可能です。東京であれば、羽田空港を抱える大田区など需要が大きい地区に限定したほうがよいのではないかという声も聞かれるため、ここ杉並区でもし民泊事業を許可するのであれば、区は実態を十分に把握してから推進すべきです。  そこで、幾つか質問いたします。大田区は他区に比べて一足早く国家戦略特区に基づく民泊事業を開始しましたが、杉並区も当該事業の検討を行っていると聞きます。杉並区の現在の取り組み状況はどのようになっているのか、お尋ねします。  国家戦略特区事業とは別に、国では、厚生労働省が中心となり、民泊の検討が行われています。それはどのような内容で、今後のスケジュールはどのようになっているのでしょうか。この検討に基づいて民泊が制度化されると、杉並区にはどのような形でその影響があらわれるのか、区の所見を求めます。  世界的に見て、オリンピックイヤーには、政治的な意味合いを持ったテロリズムが過去幾つも起きてきた例があります。オリンピック開催時のみならず、テロや薬物使用など犯罪の温床になる可能性や、仮に事件が起こってしまった場合の責任の所在が懸念されています。また、感染症の媒介になってしまうことなどへの不安があることも事実です。このようなさまざまな懸念への対策として区はどのようなものを考えているのか、伺います。  国家戦略特区に基づく宿泊事業や民泊は、これから始まる新しいビジネスモデルであるため、消防法や建築基準法などの建物に関する基準あるいは所得税や固定資産税の取り扱いなどの点で、さまざまな部署との連携が必要です。区はどのように対処していくのか、見解を伺います。  次に、在宅ワークに関する質問をさせていただきます。  かつて、通勤ラッシュ解消のため職住隣接、職住一体が注目され、通信インフラがある程度整った現在こそ、通勤に頼らない働き方の変革を今こそ見直すべきであります。在宅ワークは、自分の得意分野、専門分野で勝負できることが多いため、働く方が自分の仕事に誇りを持つことができる上に、通勤という体力的、時間的ロスを省くことで、家事、育児、介護で多忙な方、退職後の高齢者、精神障害者など、さまざまな立場の方の経済的安定と生きがいを保障するという点で、大きな意味があります。  以前、元システムエンジニアであり、介護と子育てのため外で働くことができないという杉並区民の女性にお会いする機会がありました。しかし、優秀な人材が家庭の事情で活躍の場を奪われていることを、非常にもったいなく感じました。  さらに、私の親族にも、夫と死別し、実の両親の住む地元である他県で働くことも考えましたが、地元では十分な収入を得られる職につけないため、都内で子育てをしながらフルタイム勤務をしている女性がいます。彼女は、子育てに十分な時間を割くことができないという問題に常に悩まされています。もし彼女が、地元である他県に移住せずとも、子供を自分で育てながら通勤時間なしで働くことができれば、仕事と家事、子育ての両立が今よりもできるようになります。また、このような家の事情で働くことができない方以外にも、精神障害を持つ方やひきこもりの方が社会とつながるきっかけとなり、病状や心持ちが改善する可能性も考えられます。  その一方で、在宅ワーク詐欺という新手の詐欺もふえています。その仕事をするために必要だという名目で、さまざまな商品やサービスを売る、あるいは高額な登録料を取るなどして、実際は仕事が紹介されないなど、特定商取引法第51条、業務提供誘引販売取引に該当する場合も見受けられます。昨年6月には、インターネットで記事を書く在宅ワークのための費用と偽り、現金総額5億円をだまし取ったとして、9人組の詐欺グループが逮捕されました。こういった悪質な事例が目立つようになったため、在宅で働きたい方が、さまざまなリスクを考慮し、なかなか手を出せないという現状があります。  そこで、自治体が在宅ワークに積極的に関与するようになれば、安心して在宅ワークを含めた職探しをすることができるようになります。このような視点から質問させていただきます。  プログラミング、ライティング、デザインなど、従来の内職のイメージと異なる専門性の高い職が自宅でもできる時代に変わりつつあります。こういった専門的なスキルを持ち、働く意欲もありながらなかなか外で働く機会がない方向けに、区が在宅ワークの仕事をPRすることで、そのような方々と企業のマッチングが図れると思いますが、区の考えをお尋ねします。  在宅ワークを求めている求職者のために、区内の企業などに在宅でできる仕事の求人がないか働きかけてはいかがでしょうか、見解を問います。  ひとり親や障害者などに対する就業支援は、どのように行っているのでしょうか。また、みずからの能力を最大限に生かす在宅ワークを希望する場合には、区はどのように対応しているのか伺います。  最後に、性的マイノリティーについての質問をいたします。  昨年に実施された電通総研の調査によると、日本人の約13人に一人が性的マイノリティーであるという結果が出ています。今までよりもそういった話題が俎上に上ることが多くなったこともあり、区としても実態把握に努める必要があるのではないかと思えるほどに、性的マイノリティーの人権を守るための運動は日本でも広がってきています。同性パートナーシップに関する渋谷区の条例、世田谷区の要綱は、その象徴と言えるでしょう。ただし、これらは憲法24条、94条に違反している疑いが強いことが指摘されています。  確かに、性的マイノリティーの方々のアパート入居、病院での面会などの不利益が存在するのであれば、彼らの苦しみを取り除き、彼らを救済する必要があります。しかし、それら個々の問題が発生した際には、それらに対する個別の運用で十分に対応が可能ではないでしょうか。例えば、アパート入居や病院での面会権を家族以外にまで広げることは不可能ではないですし、財産に関する問題は、公証人役場で遺言公正証書を作成すれば、新たな条例などは不要です。また、家族ではないからといってアパート入居、病院での面会を断られる問題は、本当に多く発生しているのでしょうか。  現在日本には、性的マイノリティー向けの心理カウンセラーや、同性結婚式を行う神社や結婚式場、性同一性障害の患者を積極的に診察する病院が存在します。さらに、厚生労働省が精神障害者保健福祉手帳から性別欄を削除するなど、性的マイノリティーに配慮した対応が国内で既に進んでいます。このように、日本は、他国に比べると性的マイノリティーに対して目に見えた差別が少ない国であると言えます。  例えばアメリカでは、キリスト教の教えによって同性愛は罪とされているため、同性愛者に対する差別が根強くあります。また、ロシアでは、2013年に同性愛宣伝禁止法が定められ、去年は動画サイトのユーチューブで、同性カップルが手をつないで歩いているだけで周囲の人々がそのカップルに対して暴言を浴びせたり殴りかかってくる動画が2日間で200万再生され、話題となりました。さらに中東やアフリカには、同性愛自体が犯罪行為とされており、死刑を含む刑罰で罰せられる国も存在します。そのため、日本では性的マイノリティーへの差別は比較的少ないと言えます。  しかし、それは、裏を返せば、国民が彼らについての正しい知識を持っていないということの裏づけでもあります。そのため、ここで整理をしておきたいのですが、レズ、ゲイ、バイは性的指向であるのに対し、トランスジェンダーは性的自認であり、医師の認定が必要である明らかな障害であると言えます。トランスジェンダーの方は法律的に保護する必要があり、世間的な目からの誤解を解かねばなりませんので、彼らの人権のために区が啓蒙活動をするのは問題ないと考えます。また、トランスジェンダーの方は障害であると認められているからこそ、性別を変更できるなどの法的な救済策が用意されています。  それに対し、レズ、ゲイ、バイは性的指向であり、現時点では障害であるかどうかが医学的にはっきりしていません。そもそも地方自治体が現段階で性的指向、すなわち個人的趣味の分野にまで多くの時間と予算を費やすことは本当に必要なのでしょうか。その前提に基づき、幾つか質問をしていきます。  杉並区男女共同参画行動計画においては、「性的少数者(性同一性障害者等)」と記載されていますが、ここで言う「等」には具体的に何が含まれているのでしょうか、伺います。また、関連して、杉並区男女共同参画行動計画はことし改定されますが、そこでは性的マイノリティーについてどのように表現されるのか、伺います。  杉並区は、性的少数者と一くくりに表現していますが、本来、レズ、ゲイ、バイとトランスジェンダーは本質的に異なるため、区別されなければなりません。実際に、私の友人のトランスジェンダーの方々に話を聞くと、レズ、ゲイ、バイと一まとめにされることには抵抗があるとのことでした。そのため区は、レズ、ゲイ、バイとトランスジェンダーは異なるものであると周知し、LGBTや性的少数者という性的指向と性的自認を一まとめにした表現を改めるべきだと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律がことし4月1日から施行されますが、性同一性障害の方々は対象になるのか、杉並区の見解を問います。  最後の質問となりますが、杉並区は今後も、性的マイノリティーの人権を守るための活動を続けていくのでしょうか。また、杉並区は今後、渋谷区の条例や世田谷区の要綱のようなものを出すことはあり得るのか、伺います。  以上、性的マイノリティーに関して幾つか質問させていただきましたが、それは、トランスジェンダーである私の親友が、ここ最近のLGBTに関する運動の盛り上がりに不信感を抱いており、自分はカムアウトはしたくないし、そもそも世間にここまで大きく性について取り上げてほしくないという彼女の言葉を聞いたことがきっかけでした。多様な思想や個性を持つ私たちが共生していくに当たり、身近に性的マイノリティーの方々がいるということを認識することは重要です。その上で、マジョリティー側がマイノリティーの気持ちを理解し、その気持ちに寄り添うことで、さまざまな状況は改善するはずです。  ただ、そこで注意すべきこととして、マイノリティーを助ける側の人々が、人助けをしようという気持ちが過剰に膨らみ、上から目線となり、マイノリティーの方々に差別的な目線を送っている可能性があります。また、その逆のパターンで、マジョリティーの力よりもマイノリティーの力が大きくなり、マジョリティー側を迫害する構図が生まれることも考えられます。  実際にアメリカのコロラド州では、キリスト教の信仰から同性婚のためのウエディングケーキの販売はできないとして断った洋菓子職人の男性が、日本円にして約1,700万円の賠償金支払いを命じられたという事例があります。洋菓子職人の男性は、同性カップルにウエディングケーキをつくることを強いることは信教の自由と言論の自由を迫害していると主張したにもかかわらず、訴訟に負け、自身の宗教的信条を否定される苦痛を味わうことになりました。  海外では、このような性的マイノリティーによる過剰な人権訴訟がふえており、敗訴した企業や店舗は営業停止に追い込まれるなど、本末転倒のケースが少なくありません。性的マイノリティー支援において本当に重要なことは、彼らが本当に求めていることは何であるのかを見きわめ、一人一人に合った対応をすることです。それにもかかわらず、結果的に差別のなかったところに差別が生まれてしまうという逆説的な結果が生まれてしまうこともあります。  全ての人が、マジョリティーに対してもマイノリティーに対しても思想信条の自由を侵害しないことを願い、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、小林ゆみ議員の御質問のうち、在宅ワークに関するお尋ねにお答えをいたします。  在宅ワークは、自宅で働けることから、仕事と家庭の両立が可能となる柔軟な就業形態でありまして、障害のある方でもスキルを生かして自分らしく自己実現ができるという、豊かな可能性があると考えております。代表的な在宅ワークは、データ入力、ホームページの作成、翻訳など、パソコンとインターネットを活用して、業務請負契約により自宅で行うものでございます。  内職と異なり、家内労働法による保護が受けられず、最低賃金の適用がないほか、トラブルがあった場合でも労働基準監督署等に相談できないなどのリスクがございます。また、在宅ワークと称するものには、いわゆる在宅商法と言われるような悪質な業者も多く存在して、詐欺まがいのトラブルも少なからずあるようでございます。  今後も、柔軟な働き方をしたいというニーズに応えるために、安心して在宅ワークができるように、機会を捉えて、希望者に向けて、在宅ワークに関する厚生労働省のガイドラインやハンドブックを紹介したり、在宅ワークに関するセミナーを開催するなど、PRや啓発を図っていきたいと思います。  また、現在、就労支援センターでは、区内企業への求人開拓を積極的に行っておりますので、その中で、区内の優良な事業者に働きかけ、在宅でも勤務できる求人情報が得られましたら、就労支援センターや区のホームページのワークインフォメーションで紹介してまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(はなし俊郎議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(内藤友行)登壇〕 ◎産業振興センター所長(内藤友行) 私からは、国家戦略特区法に基づく宿泊事業の取り組みの状況についてのお尋ねにお答えいたします。  現在、事業実施エリアの検討や、昨年国から通知されました近隣住民の不安を除去するための留意事項をもとに、事業実施に向け、関係機関との意見交換や情報収集に努めているところでございます。一方、国では、法的根拠のない民泊についての検討会を設置し、事業の解禁も含めた方向で検討を行っている状況です。  いずれにしても、民泊を含めた宿泊事業が区内で実施されるには、良好な住環境と調和した事業が前提であることから、課題を整理し対応策を検討するなど、慎重に準備を進めているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(西田みちよ)登壇〕 ◎杉並保健所長(西田みちよ) 私からは、民泊に関する残りの質問にお答えいたします。  初めに、国が行っている民泊の検討についてのお尋ねですが、法的根拠を持たない民泊について、安全性の確保や地域住民とのトラブル防止のため、法整備に向けた検討を行っていると承知しています。また、スケジュールについてですが、3月に中間報告、28年中に結論を取りまとめる予定と聞いております。  区への影響ですが、民泊は多くの事業者の参入が予定される一方、良好な住環境の調和に課題が生じる可能性もあると考えております。  次に、新しい制度による宿泊施設の安全対策についてのお尋ねです。国家戦略特区事業に関しましては、利用開始前と終了時に対面で滞在者を確認すること、また滞在者名簿を3年以上保管することが国の通知で示されております。また、経営者は、滞在中も不審な点が見られないかを確認するとともに、挙動に不審な点が見られる場合には、警察に通報することとされています。また、現在国で進めている民泊等のルールづくりにおいても、安全性の確保という視点を含め検討されていると聞いております。  私からは最後になります。国家戦略特区事業や民泊に関連した関連部署との連携についてのお尋ねですが、国家戦略特区事業については、この間、消防署や区の建築課などとも情報交換を重ねながら課題を整理しているところです。今後も、必要と思われる関係機関、部署との情報交換、連携を進めてまいります。また、民泊についても、現在国で行われている検討の進捗状況に合わせ、同様の対応により取り組んでまいる考えでございます。  以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(森 仁司)登壇〕 ◎保健福祉部長(森仁司)) 私からは、在宅ワークに関する残りの御質問にお答えします。  配慮を要する方への就労支援に当たっては、相談から定着まで、個々の能力や生活状況等を踏まえた伴走型の支援が重要と考えます。特に障害者の就労では、働く意欲と能力を持ちながら就職に至らない場合や、短期間での退職も少なくない状況もあることから、就労の場の開拓や職場定着なども含め、障害者雇用支援事業団を通して総合的な支援に努めております。  また、ひとり親への就労支援につきましては、子ども家庭支援センターにおいて専門員が相談に応じながら自立支援プログラムを策定し、関係機関と連携し、資格取得や求職活動に関する支援を行っております。  さらに、在宅ワークの御希望がある場合には、障害者に対しましては在宅就業支援団体を、またひとり親に対しても、関係機関や在宅ワークに関する総合支援サイトをそれぞれ御案内するなど、在宅ワークにつなげるためのきめ細かな相談支援を行っているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(井口順司)登壇〕 ◎区民生活部長(井口順司) 私からは、性的マイノリティーについての御質問にお答えいたします。  まず、区の男女共同参画行動計画における性的少数者についてのお尋ねでございますが、「性同一性障害者等」の「等」につきましては、レズビアン、ゲイ等の性同一性障害者以外の全ての性的少数者を意味しているところでございます。ことし1月に改定いたしました男女共同参画行動計画におきましても、性的少数者については同様に、「性的少数者」、括弧書きとして「(性同一性障害者等)」と記載しております。  次に、性同一性障害者についてのお尋ねでございますが、性同一障害の方につきましても、性的少数者としての差別や偏見を受けることは変わらず、その人権について、他の性的少数者と同様に守らなければならないものと認識しております。  次に、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律についてでございますが、性同一性障害の方がこの法律の対象として障害者に該当するかは、この法律では明確にはされておりませんが、人権問題として、差別や偏見はなくしていかなければならないものと捉えております。  私からの最後に、性的マイノリティーの人権についてのお尋ねにお答えいたします。  性的マイノリティーに関しましては、さまざまな差別や偏見により、生きづらさを抱えている状況があり、区の男女共同参画行動計画におきましても、人権問題として、性的少数者に対する理解の促進のための啓発の取り組みを今後も進めてまいります。  なお、性的マイノリティーに関する渋谷区の条例や世田谷区の要綱の制定につきましては、既存の法制度との整合性等の課題とともに、婚姻のあり方や家族観など、区民の中にも賛否さまざまな意見があると捉えておりますので、同様の条例、要綱の制定については、現在のところ考えてございません。
     私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で小林ゆみ議員の一般質問を終わります。  17番井原太一議員。       〔17番(井原太一議員)登壇〕 ◆17番(井原太一議員) 杉並区議会自由民主党の井原太一です。会派の一員として、通告に従って一般質問をいたします。質問項目は大きく二つ。一つ、家族を大切にする社会の構築について、二つ、高齢者に配慮した行政サービスについてであります。  初めに、家族を大切にする社会の構築について、何点か質問をさせていただきます。ここでは三つのことを伺います。  昨今、青少年の非行や犯罪の多発と低年齢化が進む中で、規範意識の低下とともに、家庭での教育力の低下が指摘されています。かつてのように多世代、多世帯同居など大家族の中で育てられる時代とは異なり、核家族化が進み、家庭内で子供を育てる家族の人数が減りました。親の共稼ぎで子育ての時間が減り、さらには親の教育観が変化していることも、子供に目が行き届かないその原因と言えるでしょう。  また、初めての子育てに際しては、かつては子育てについて相談したり手伝ってくれたりした祖父母が近くにおらず、疑問にぶつかりながら一人で悩む、苦しむ親もふえました。そこで、相談に乗ってくれる行政機関、ママ友や地域の人たちの支援が必要になってくる。このように、子育ては家庭だけでは大変、さらに加えれば学校だけでも大変。子育てと子供の教育については、家庭と、学校と、行政と、地域とが協力し合っていく、そのような時代へと変革していることは否めません。しかしながら、たとえそうであっても、やはり子育ての根本は家庭にあると、私はこの場で改めて問いかけたいと思います。  一つの例として、時代はさかのぼりますが、ロシア、旧ソビエトにおける政策について取り上げてみたいと思います。  ニコラス・S・ティマシエフ氏による1960年の「ロシアにおける家族廃止の試み」という論文によれば、1917年のロシア革命以降、革命政府はその政策を進めるに当たり多くの抵抗に遭いましたが、その要因が家族、学校、教会にあると考え、革命を成功させるため、旧秩序の要塞、伝統文化のとりでとされた家族のきずなを弱める政策を数々実施したということです。親の権威より共産主義が大切であると子供を親から引き離し、社会が子供たちを育てる政策を実施。結婚の要件を緩和し、事実婚を容認、重婚を認めるなど次々に行い、1930年ごろには家族の結びつきは著しく弱まったといいます。  しかしながら、彼らが予測もしなかった有害現象が同時に進行してしまい、1934年ごろになると、それが社会の安定と国家の防衛を脅かすものと認識され始めました。すなわち、離婚率の増大とあわせて出生率が著しく減少したこと、家族、親子関係が弱まった結果少年非行が急増し、多くの愚連隊が発生して、強奪や破壊、弱者に対する暴力、女性に対する凌辱と何百万人もの私生児をつくり、目に余るものがあったとティマシエフ氏は指摘しています。  そこで、ソビエト政府は、今度は家族を再強化する方向へと方針を転換させ、次々と政策を実施しました。結婚の意義を再評価し、それは生涯の結合であって人生の最も厳粛な行事であると教えるように転換。離婚の制限を強化、非登録婚の制度を廃止して登録婚だけを合法化。親に対する反抗の奨励も修正し、親の権威が強調されるなどです。1935年には、親に対する尊敬と孝行は青年共産主義者同盟の道徳の核心をなすものであると新聞に記事が掲載されるまでになったということです。  この歴史の教訓から私たちは何を学ぶでしょうか。数々あるでしょうが、一つには、子育ては社会だけで行うことは難しい、家庭の役割が大切であるということではないでしょうか。家庭は生活をともに営む共同体であるばかりでなく、愛情を育み、学び、受ける場でもあります。そして子供にとっては、安心して自分を受けとめてくれる居場所でもあります。  人間は愛情動物です。親から愛されること、人から愛されること、そこに喜びを感じるだけでなく、育つ力を受ける。幼少期に十分に愛されなかった子供、あるいは愛されてはいても十分な接触がなかった子供は、愛着障害や情緒の不安定を招くようになるという報告もあります。子供の成長にあって家庭は大切です。両親がそろっている、ひとり親だけである、あるいは諸事情があり、その形態はさまざまであったとしても、子供にとって自分を受けとめてくれる居場所であり、成長の場であり、自分も家族の一員として参加できる家庭は必要です。  教育基本法では、家庭教育として、子の教育について第一義的責任は保護者にあると規定していますが、親のあり方を問う上で納得できるものであります。我が国の民法にしてもその他の法令にしても、家族制度を重視しますが、その背景には、日本では子供の成長を家庭、家族制度の中で守るという考え方が伝統的にあるように思います。  私は、これらの法体系は守られるべきものであって、これを変えることは慎むべきであると考えています。結婚についても、憲法24条では「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と規定していますが、これは、婚姻に対して二人で責任を持っていくという意味合いも含まれているのではないでしょうか。父親がいて、母親がいて、生まれた子供を育てることには責任を持つ、一生涯という時間をかけて。結婚にはそれだけの重さがある。ただ取っかえ引っかえ証明書だけ出せば事が済む、相手はその時々で誰でもいいというものでもありません。そして子供は、親の個人所有物でもない、天からの授かりものである、だから自分勝手ではなく大切に育てるという心構えも必要であると思います。持続可能な社会を構築する意味合いからも、これは大切なことだと考えます。  私は思うのです。子供は、自分の父親が誰であるのか、母親が誰であるのかを考え、求めるものです。それを改めて知り、確認したときに、自分の存在をそこに認めることができる。父親から、母親から、それを否定されたとき、生まれてきたことを否定されたとき、子供は生きる意味も希望も失ってしまう。自己の存在意義、アイデンティティーを失ってしまった子は、これから頑張っていこうという自立心と勇気を失ってしまう。  私は思うのです。結婚式がたとえどのような形式であれ、男女は永遠の愛を誓って結婚するのではないか。周りもそのように新婚カップルを祝福し、送り出す。その愛し合う二人から生まれたからあなたはとうといのだと、子供になぜ言ってあげないのか。親子のきずなにはそれだけのものがあります。  ところで、この家庭にあちらこちらで問題が生じています。子育てにおいては、親の責任を果たさない、虐待を繰り返す、育児ができない等々。家族のつながりにおいても、家族での協力をしない、家庭内暴力を繰り返す、家族でいることがうっとうしい等々。家族は大切である反面、家庭内では複雑な課題が内在してもいる難しさもあります。  いずれにしても、家庭内でおさまる範囲を超えて、青少年の非行、犯罪の多発と低年齢化、命を脅かす虐待、家族内暴力と殺傷など、問題が大きくなっています。  これまで、家庭とは何か、家族とは何かについては、それぞれの個人の問題、家庭内の私的問題として、社会も行政も深く触れずに来たかもしれませんが、これだけ問題が多発するようになっては、もうその段階ではないと考えます。命を守り、安定した社会の将来像を築くためにも、家庭と家族のあり方を改めて考え直し、その意味を知ってもらう。区民に対して、社会も行政もそのような警鐘を鳴らさなければなりません。そして、これは政治の責任でもあり、政治家である前に一人の人間、次世代を育てる大人としての責任でもあります。私たちは、子供たちの心の叫びに耳を傾けることを忘れてはなりません。子供たちの心の叫びが聞こえなくなるようなことがあってはならないのです。  そこで、一つ目としてお尋ねいたします。次代を担う子供たちは将来の地域社会を支える区民共通の宝であり、子供たちが豊かな心を持って健やかに成長していくには、家庭の役割は重要です。そのためには、親自身の子供を育てる力を強化する視点が重要と考えますが、区の認識を伺います。  さて、家庭や家族の大切さについて、子供たちに対してはどのように伝えられているのか、教えられているのか、気にかかるところです。それらを家庭の中でしっかりと学んでいる子もいるでしょう。しかし、家庭の事情あるいは親の考え方によってそれが難しい場合には、学校や地域、行政機関などがそれを補完しなければなりません。もし、そうしなければ、子供を守り育てる家庭のあり方がわからないままその子が親になった場合、その元子供はどのような家庭を築くのでしょうか。その元子供から、さらにその子供たちは家庭のあり方を学べるでしょうか。その子供たちは育児放棄や虐待に遭ったりしないでしょうか。非行に走らないでしょうか。いつまでも子供を守り育てる家庭が築けない、虐待された子がまたその子供を虐待する、このような世代を超えた負の連鎖が続いたりはしないでしょうか。これは多くの専門家が指摘し、また警鐘を鳴らしていることでもあります。負の連鎖は早い段階で断ち切らなければなりません。  それでは、家庭や家族の大切さについて、子供たちは学校でどのように学んでいるのでしょうか。一つには、家庭科の授業などで、家族の大切さとして、家族の一員としてのあり方を教えられていると聞いています。家族の一員としての自覚に目覚め、共同生活をしている中でお手伝いをするなど役割を分担する、その中で家族としてのきずなを深め、家族を大切にすることを学ぶなど、これらは確かに大切なことではあります。ちょうど自我に目覚め、他者と自己の関係性の中に自分を発見し直すという子供の成長の発達段階においても、意味のあることだとは思います。  しかしながら、思うに、これは家庭という枠組みがしっかりとしている場合に成り立つこと、そこに加わることができることであって、家族が好き勝手なことをし、家庭がいわば崩壊しているような中にあっては、どこに加われというのでしょうか。この教育内容では不十分に思えてなりません。  そのように考えると、既に家庭に加わることの大切さばかりではなく、そもそも家庭を持つとはどのようなことか、家族はそこでお互いにどのような責任を分担、共有するのか。将来自分が大人になったときに、子供を育てるということはどのようなことか、どのような責任があるのか等々、家庭で教え、学ぶことができないのであれば、学校において、家庭や家族のあり方、将来への希望や喜びについても教える必要があるのではないでしょうか。  また、学校では、命の大切さを教えていると思います。生命の神秘についても教えられていると思います。誕生の神秘は教えられますが、生まれた子供の命のとうとさ、子育ての大変さ、子供との触れ合いの中での喜びと成長などについてはどのように教えているのでしょうか。  また、学校内でのいじめが社会問題となっている昨今、特に道徳の授業などでも命の大切さを教えています。何年もかけた取り組みの中で、大分子供たちにも浸透してきていると思います。その結果でしょうか、今の子供たちは、友人や仲間を大切にする傾向は強いように見受けられます。もちろんこれは、反抗期の子供たちが友達の声には耳を傾けても親の言うことは聞かないという、これはいずれも親から自立して大人として巣立っていく大切な成長の段階とも重なって、顕著にあらわれているとも推察されます。  ここで申し上げたいことは、いじめ撲滅を念頭に置く余り、命の大切さを教える教育が友人や仲間にシフトし過ぎてはいないかということです。つまり、ダチ、すなわち友達や仲間は大切にするけれども、赤ちゃんの命は大切にしないのではないかということです。自分たちとは考えも表現も違う成長段階にある赤ちゃん。その命もとうといものだと、どのように教えているのでしょうか。これからは学校でこれらのことも教えていかなければならない、そうしなければ負の連鎖が断ち切れない、そのように思えてなりません。これらのことを踏まえ、現状、学校教育の現場がどのようになっているのかが気にかかるところです。  そこで、小さな二つ目としてお尋ねいたします。子供たちへ家族の大切さを教えていくことが大切と考えますが、区の考えを伺います。  さて、小さな三つ目は、保護者に対する啓発についてです。  前段での質問では、子供たちへの教育を取り上げましたが、家庭や家族のあり方を論ずるときには、その主役はやはり保護者ですから、それを保護者にどう伝え啓発するのかということが大切です。教育基本法では、子の教育について、第一義的責任は保護者にあると規定するだけでなく、地方公共団体に対しても、「保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と定めています。教育というと、国語や算数、英語や理科などを教えることばかりを連想しがちですが、教える教の部分ばかりでなく、人間として育てる育の部分も必要であることを、まず保護者に伝える必要があります。  教育基本法では、人間として「自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図る」と述べられていますが、教育という言葉は、教える教という字と、育てる育という字が結びついてできているのです。子供を育てる環境として家庭や家族のあり方が大切ですが、保護者に対して、大切だ大切だとただ観念論ばかり伝えても、物事は始まりません。より具体的な手法を伝えることが大切です。  まずは、子供を育てる環境として、子供が安心できる居場所として、家庭がそうであるための工夫が必要です。家族の連携や教育も必要です。新米パパやママであれば、初めての育児で、授乳の仕方、おむつの交換、発熱時の対処から、そのほか次々と起こる問題に対して、相談する相手もなく振り回されてしまう、そのような親を一人にさせない、孤立させない工夫も必要であり、行政でも地域でもいろいろと取り組んでいます。  ところで、このような取り組みはどれも必要なものではありますが、どちらかといえば子育てをする親の支援をする、親の側の取り組みにも見受けられます。一方で、子供がどう育つか、子供の側から見たそのような支援、指導はどのようにしているのでしょうか。  例えば、子供にとって乳幼児期における愛着形成ができるかどうかは大切な問題です。愛情の大きさを図ることは難しいですが、愛着を形成するために必要なことは行動であり、回数を重ねることができ、誰にでもできることです。もちろん、回数ばかりで心あらずでは困りますが、親が赤ちゃんによく声をかける、目を見て顔をしっかり合わせる等々、自分を大切にしてくれていると実感させる、そのような積み重ねが大切であることを親に伝える必要があると思います。  そのような親子の触れ合い、コミュニケーションの中で、親も、家族のきずなや家族のあり方などを実感として学んでいけるでしょう。ゆりかご事業でもつどいの広場でも、そのほかさまざまな機会を捉えてそのような情熱を伝えることを、区はどのように展開しているのでしょうか。また、熱心過ぎる過保護、過干渉が子供をだめにしている例もあります。子供は、その発達段階によって育て方が異なってきます。反抗期における子供の自立、その先の親離れなどを阻害してもなりません。親が子育てのことばかりに気をとられて、病んでしまう例もあります。そのような親の気づきに対する支援や指導も必要です。  るる申し上げましたが、このような取り組みの中から、親も家庭のあり方、家族の大切さを学んでいけると思います。以上のことを踏まえ、現状はどうなっているのか、気にかかるところです。  そこで、小さな三つ目、前半の項目の最後としてお尋ねいたします。家族の大切さを親も学ぶ機会が必要と考えますが、区の考えを伺います。  内閣府では、平成19年より11月の第3日曜日を家族の日と、その前後各1週間を家族の週間として、家族の大切さを国民に対して啓発しています。茨城県では、家族のきずな、家庭の養育力の重要性について県民の理解をいただくために、昭和40年7月より毎月第3日曜日を家庭の日と定め、明るい茶の間運動として普及啓発に努めています。東京都では家族ふれあいの日を応援する取り組みをしています。いずれ杉並区でも、家庭や家族を大切にする都市宣言をするなど、考えてもいいのではないかと思いますが、検討課題として改めて提起する機会があればと思っています。  さて、質問の大きな二つ目は、高齢者に配慮した行政サービスについて、何点か質問をさせていただきます。ここでもやはり三つのことを伺います。  杉並区では、現在行われている施設の再編整備に伴い、行政サービスの拠点、窓口を再配置、廃止と集約をするとともに、そのサービス内容の見直しが行われています。今後は、施設の老朽化による建てかえもあり、また人口分布やサービスの利用度合いの変化などを考慮し、将来の行政サービスの最適化を考えれば、この再編成に一定の評価をするものではあります。  一方で、区民事務所等の廃止により、歩行がだんだん困難になっている高齢者にとっては、より遠くなった窓口まで出向くのはなかなか大変になっています。このような方々が行政のサービスから取り残されてはいないかどうか、それが気がかりです。そこで、今回の再編や行政サービス見直しに際して、ハード面とソフト面の両面について、区は高齢者に対してどのように配慮しているのか、その全般について伺いたいと思います。  まず一つ目は、高齢者に対する行政サービスを提供する上で、区は高齢者にどのような配慮が必要と考えているのか伺います。  次に、福祉サービス以外のサービスで、区が高齢者への配慮を行っているものはあるのかを伺います。  そして三つ目ですが、住民票など区民に身近なサービスにおいては特に高齢者への配慮が必要であり、施設再編で区民事務所等が廃止されたところでは、どのような配慮がなされているのかを伺います。  高齢になると、口は達者でも体が動きづらくなります。特に足腰や関節など、長い歩行が大変になってきます。元気な人がちょっと遠くまで歩く、自転車に乗る、これら当たり前に思えることが高齢者ではできなくなってくる。これらへの配慮、継続したフォローをお願いして、私の質問を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、井原太一議員の御質問のうち、親の子育て力に関する御質問に御答弁いたします。  核家族化や少子化が進むとともに、地域とのつながりの希薄化によりまして、子育てに不安や孤立感を感じる家庭は少なくありません。こうした不安等を解消するために、親の子育て力を強化していくことは重要な視点だというふうに思います。  また、国におきましても、子ども・子育て支援新制度の実施における指針の中で、「子育てに対する負担や不安、孤立感を和らげることを通じて、保護者が自己肯定感を持ちながら子どもと向き合える環境を整え、親としての成長を支援」するとしていまして、親としての成長と子育て力の向上を、子育て支援の意義として位置づけているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、区では、親の子育て力の強化を図るために、出産前からの各種講座や家庭相談などを実施するほか、地域との交流を通じた親としての学びの機会を提供してまいりました。今後も、子育てに喜びを感じながら親として成長する親育ちの視点を持ちながら、こうした取り組みの充実を図り、子育て力の強化に努めてまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(はなし俊郎議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、家族の大切さを親が学ぶ機会に関する御質問にお答えします。  区では、子育てに必要な知識の習得を通じて、出産前から親としての自覚や心構えを育てるパパママ学級や、子ども家庭支援センターでの家庭相談、大人同士が学び合う場である家庭教育講座など、親が子育てについて考え、学ぶ機会を提供しています。また、地域社会とのかかわり合いの中で子育てするという観点から、地域で町会や青少年育成委員会などが続けている地域行事や家族同士の交流などの取り組み等、家庭と地域が連携して、社会全体で親を育てるための支援にも力を入れているところでございます。  こうした取り組みを充実し、親としての自覚を育てることが、家族の大切さ、そして子育てや心の安らぎといった家庭、家族の持つ機能の理解を深め、子育て力の向上につながるものと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田中 哲)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田中哲) 私からは、高齢者に配慮した行政サービスに関する御質問にお答えいたします。  まず、高齢者に対する行政サービスではどのような配慮が必要かとのお尋ねですが、高齢者に対しては、加齢や病気、けがなどによって身体機能が低下することに対する配慮が特に重要であると認識しております。高齢者部門では、介護保険サービスを初め、全て高齢者に配慮したサービスとして提供しておりますが、日常生活の支援サービスを例に挙げれば、退院直後や急病により一時的に身体機能が低下した高齢者に対し、ホームヘルパーを派遣し生活援助を行ういっときお助けサービスや、一人で外出のできない方に自宅で理美容サービスを受けることができる訪問理美容サービスなどを実施しております。  また、高齢者部門以外では、交通事故の減少を目的とし、運転免許証を自主的に返納した75歳以上の区民にICカード乗車券を支給する高齢者運転免許証自主返納制度の実施や、ごみを集積所まで持ち出すことが困難なひとり暮らしの高齢者の世帯には、玄関先まで職員が収集に伺うふれあい収集なども、高齢者に配慮した取り組みであると考えております。  引き続き、高齢者の方々が安心して暮らし続けられるよう、区のあらゆるサービス提供において配慮に努めてまいります。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(井口順司)登壇〕 ◎区民生活部長(井口順司) 私からは、区民事務所等の廃止後の高齢者への配慮についての御質問にお答えいたします。  区民事務所等は、コンビニ交付サービスの導入によるサービス拡充に合わせて、七つの地域に1カ所ずつ配置を基本に、昨年1月に再編いたしました。その中で、区南部の区境に位置する桜上水北分室については、廃止後は図書サービスコーナーとし、証明書自動交付機については引き続き設置することといたしました。  また、高齢者は機械操作が苦手との地域の声や、近隣区民事務所への交通事情も踏まえまして、証明書自動交付機の操作のサポートや各種行政手続の問い合わせなど、きめ細かな対応を図っているところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私からは、学校における家族の大切さについての教育に関する御質問にお答えします。  子供たちに、家族や家庭生活を大切にする心情や家族の一員として生活をよりよくしようとする態度を養うことは、重要でございます。これまでも各学校では、道徳の時間において家族に対する敬愛の念を深めるとともに、その一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築くための心情と積極的に協力する態度を育てています。  また、家庭科においては、家庭の仕事の一部をみずから分担、実践することを通して自分の役割を意識し、家族が協力して家庭生活を営むことの意義等を育んでいるところです。さらに、本区では、つながりとかかわりを重視し、地域の方や外部の人材を活用した土曜日等の教育活動を進めており、そうしたことを通して、子供たちは自分の生活が多くの人々に支えられていることを認識し、改めて家族の大切さに気づいていきます。  今後も、地域や保護者の方々と連携しながら、これらの取り組みの充実を図り、子供たちの豊かな人間性を育んでまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で井原太一議員の一般質問を終わります。  16番大泉やすまさ議員。       〔16番(大泉やすまさ議員)登壇〕 ◆16番(大泉やすまさ議員) 杉並区議会自由民主党の大泉やすまさです。私は、会派の一員として、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  私からは、1、杉並区版まち・ひと・しごと創生総合戦略について、2、住宅都市杉並について、3、町会・自治会・商店会について、以上の大きく三つの項目について質問させていただきます。  まず初めに、平成27年12月に策定された杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略について伺います。  そもそも地方創生の取り組みの趣旨は、少子高齢化の急速な進展による人口減少に対していかに歯どめをかけるか、また、東京圏への人口集中による地方の衰退とその延長線上に待つ東京圏を含む日本全体の衰退を防ぐべく、それぞれの地域がそれぞれの特性を生かした地域活性化を図り、かつ地域間の連携を進めることによって、日本社会全体の活力を維持していこうという取り組みであると理解しているところでございます。  そして、このたび策定された杉並区版の総合戦略においても、その趣旨にのっとり、三つの基本目標を掲げておりますが、もともと当区には基本構想を最上位として整えられた計画体系がある中で、このたびの総合戦略の策定に当たっては、その位置づけや事業構成において、相応の御苦労があったのではないかと推察しております。  そこで、まずは、この総合戦略が区の計画体系の中でどのような位置づけになるのか、区の見解をお示しください。  また、総合戦略は、実行計画事業の中から総合戦略の基本目標実現の寄与度の高い取り組みを抽出し、さらに新規事業、拡充事業を加えて構成されたものとのことですが、であれば、新規事業についても、その重要度において実行計画事業と同等の位置づけとして取り組んでいくという理解でよいのかどうか、あわせてお聞かせください。  次に、「来街者を増やし、まちのにぎわいを創出する」という基本目標2について伺います。  杉並区の特性を一言で言うならば、基本構想にもあるように、暮らしやすい良好な住宅都市との表現が適当であろうかと思います。都内有数の住宅率、緑被率を誇りつつ、都心へのアクセスも良好という交通利便性をあわせ持つ杉並区。私は、このたびの総合戦略の策定に当たっては、当区のストロングポイントであるこの良好な住宅都市のさらなる魅力向上を通して、人口の維持、定住率の向上を目指すことこそが、杉並区の特性を生かした地域活性化として基本目標にふさわしいものと考えておりました。  しかしながら、総合戦略における地域活性化は、基本目標2の説明にありますとおり、「『住みたい』『住み続けたい』住宅都市としての魅力を高める一方で、『訪れてみたい』まちとしての魅力を高め、にぎわいを創出する」という、つまり観光資源の魅力向上や観光情報の発信を通しての来街者の増加によって目指すとされております。情報発信については、このたび広報専門監を設置し、戦略的広報に取り組んでいただけることとなった点は大いに歓迎するものでありますし、観光資源の魅力向上についても、それを否定するものではありません。しかしながら、良好な住宅都市という特性を持つ杉並区が、本総合戦略において、住宅都市としての魅力向上というストロングポイントの強化ではなく、決して十分に恵まれているとは言いがたい観光資源の魅力向上、いわばウイークポイントの強化とも言えるまちのにぎわいの創出というものを基本目標の一つとした理由はどのようなものであるのか。また、来街者の増加によってもたらされる効果をどのように考えているのか、区のお考えをお示しください。  総合戦略の趣旨の一つには、東京一極集中の是正がうたわれております。とはいえ、記憶に新しい昨年5月に日本創成会議が発表した消滅可能性自治体の中に東京23区の豊島区が含まれていたように、若年女性減少率を見れば、東京といえども決して安泰ではありません。現に杉並区も、豊島区、足立区に続いて、23区で3番目に若年女性減少率が高かったこと、また、杉並区人口ビジョンにおいて、20代こそ転入超過ではあるものの、30代、40代では転出超過であることを見ますと、人口数ということではなく人口構造の偏りという点では、人口減少待ったなしの段階に入っているものと危惧しているところです。  まとめますと、区にとっては、人口集中の是正と人口維持並びに定住率の向上とを並行して進めていかなければならないという難しいかじ取りを迫られることとなりますが、多くの自治体が同様の問題に直面する中では、横並びの政策に埋没することのないよう、地域の活性化を図るための思い切った差別化、ブランディング戦略が不可欠と考えます。そしてその軸に何を据えるのかといえば、一貫してぶれることなく、当区の最大の特徴である良好な住宅都市ブランドの強化にほかならないと考えるものであります。  その意味で、来街者の増加やまちのにぎわいの創出という目標設定も、それが一時的、地域限定的な活性化で終わることなく、長期的に住宅都市杉並の魅力向上に寄与し得るか否かという視点を持って、PDCAによる効果検証をしっかりと行っていただくことを強く要望いたしまして、次の項目に移らせていただきます。  二つ目の項目として、住宅都市杉並について、昨年からことしにかけて関心を集めている住宅に関する幾つかの動きを伺ってまいります。  その一つ目は、昨年杉並区が国家戦略特区として指定を受けた民泊についての質問です。  個人が所有する住宅やマンション等の空き部屋に外国人旅行者などの宿泊者を有料で受け入れる民泊については、2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向け増加が見込まれる訪日外国人旅行者の宿泊施設の確保という点で期待される一方で、その法整備においては、戦略特区による旅館業法の適用除外という方法に加えて、旅館業法の要件緩和までも視野に入れ、厚生労働省、国土交通省、規制改革会議など、複数の会議体がそれぞれ検討を行っているところであります。
     そのような一見迷走しているようにも見える状況の中、現在当区においては、国家戦略特区事業を活用して宿泊施設を整備する計画をしておりますが、区はこれらの国の検討の状況についてはどのように捉えているか、また、国家戦略特区事業との関係をどう考えているかについて、ほかの議員の質問と重複する点もありますが、改めてお示しください。  その手法の別はともかくとしても、民泊という新たな宿泊施設の法整備の必要については明らかであると考えます。その主な理由としましては、エアビーアンドビー等のインターネットを利用したマッチングサイトの登場をきっかけに、本来は旅館業法による営業許可を必要とする有料の宿泊施設の提供が、あたかも誰でも気軽に始められるかのような誤った認識として広まるおそれがあることや、また既にいわゆるグレーゾーン、違法状態での民泊事業の運営によるさまざまなトラブルが報じられていることなどにより、この状況を放置しておくことは、良好な住宅都市をうたう当区として好ましくない影響を及ぼしかねないと考えるからであります。  不動産賃貸市場においては、いかに空室を埋めたくとも、仮に近隣への迷惑を顧みない入居者を入れてしまった場合、迷惑をこうむった両隣や上下階の入居者が退去するとなっては、空室が何倍にもふえてしまうこととなるため、誰でもよいということにはなりません。それと同様の考え方でいえば、国家戦略特区事業や民泊などを行う場合においても、周辺の良好な住環境の維持は大前提であると考えます。そのため、マンションの管理規約を守る、あるいは又貸しをしないなど、事業者が最低限守らなければならない事項のチェックが重要と考えますが、区においてその点確認する方法を検討しているかどうか、お聞かせください。  また、本年1月3日に、読売新聞が全国の民泊の苦情に関する調査を行った結果を報道しましたが、杉並区はこの調査の対象であったのか、また、杉並区での民泊の苦情はどうなっているのかについても、お示し願います。  国家戦略特区事業や民泊を行う場合においては、そのような報道等で取り沙汰されているトラブルの対策指導を含め、十分に検討を尽くしていただくとともに、周辺住民への周知が重要であると考えます。民泊の質問の最後に、住宅都市杉並として良好な住環境を提供するため、区はどのような周知の方法を検討しているかお聞かせください。  続きまして、空き家問題についての質問に移ります。  空き家問題については、管理の不適切な空き家による近隣住環境に対する防犯、防災並びに衛生上の悪影響の社会問題化により、その対応への関心が高まっておりますが、区においては、平成28年度区政経営計画書にもありますとおり、周辺に著しい悪影響を及ぼしている老朽空き家についての除却費用の助成制度を創設するなど、空き家等対策について総合的かつ計画的な対応を推進すべく、空家等対策協議会において対策計画の策定を進めているところであります。その進捗については、私も強い関心を持って見守っているところであり、特に空き家の発生抑制策や利活用策については、良好な住宅都市をうたう当区としては、住環境の悪化防止、魅力向上を図る上で、その充実がより強く求められるところであろうと思います。  しかし、一概に空き家といっても、そこに至る過程や事情はさまざまであるため、より効果的な対策、アドバイスを行うためには、まずその個別の事情をいかに酌み取るかが重要であることから、その入り口として、空き家所有者の事情や要望に応えられる相談窓口が必要と考えます。  あわせて、杉並区総合的な住まいのあり方に関する審議会の答申を踏まえて、今後、区は居住支援協議会の設置を目指すと聞いておりますが、同答申では、住宅確保要配慮者に対する入居促進支援のみならず、空き家の効率的な利活用の支援についても居住支援協議会が担うべき役割とした上で、住宅に関する正しい情報や知識の普及啓発の重要性にも言及しているところであります。  そこで、それらの要請もあわせて考えますと、これを機に、特に空き家に限った相談窓口ということではなく、住まい全般の情報提供及び多様な相談にワンストップで対応し得る住宅に関する総合的な窓口を設置すべきと考えますが、この点について区のお考えをお示しください。  また、空家等対策計画でより重きを置くべき点として、特定空家化させないことが重要であると考えます。そのためには、空き家の利活用を促進させる方策として、例えば豊島区では、中古住宅の流通においてローンづけの面でハンデとなる検査済証がない物件を流通もしくは利活用の選択肢を広げるべく、平成26年7月に国土交通省が出した「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づいた区条例を制定するなどのように、区は空き家の所有者に積極的に空き家の活用モデルを提示していく必要があると思います。この点についても見解をお示し願います。  居住支援協議会に関する質問に移ります。  さきにも触れましたが、今後区が設置を目指す居住支援協議会においては、住まいに関する正しい情報や知識の提供、相談窓口、またマッチングシステムの構築において各種関係機関との連携が十分に確保できるよう、区が中心的役割を果たすことが求められております。御協力いただく各種関係機関には、その専門性とノウハウを遺憾なく発揮していただけるよう、区のかじ取りにも注目、期待をしておりますが、同時に、本取り組みをより実効性のあるものとするためには、住宅確保要配慮者に対して、入居支援制度の周知を図ることも大切であると考えます。ぜひとも相談窓口では支援制度の活用等、利用する側にとってわかりやすいものにしていただきたいと思いますが、この点、区の考えをお伺いします。  さらに、これは昨年の第3回定例会の一般質問でも取り上げましたが、現行の入居支援制度において、家賃債務保証、見守りサービス等、まだまだ利用率が低迷している状況にあります。賃貸住宅をあっせんする現場にいた者の実感としましては、これらの利用の有無が成約率に及ぼす影響は決して小さくなく、今後の高齢者人口の増加に伴ってますます民間賃貸住宅による受け入れの必要性が増すことを考えますと、入居支援制度のさらなる周知及び利用率の向上を目指すべきと考えます。  その一例として、安心して高齢者が民間賃貸住宅に入居できるよう宅建支部との連携を図り、こうした入居支援を賃貸契約条件としたあっせんを行うようにすることも、貸し主側も安心して高齢者に住んでもらうことにつながると思いますが、その点、区の見解を伺います。  るる住宅に関する動きについて伺ってまいりました。住宅都市としての質の向上、機能面の強化は杉並区にとっての生命線との思いで、今後もその動きには注目をしてまいりますが、この項の最後に、住宅都市における地域コミュニティーの果たす役割について伺います。  地域コミュニティーといえば、町会や商店街、またPTAやNPO、消防団等も含めますと、実に多様な組織が存在しておりますが、一部町会などで、運営に携わる人員の不足や担い手の高齢化などにより、地域活動が衰退傾向にある等の問題も抱えてはいるものの、昨年の区民意向調査における「町会・自治会に取り組んでほしい活動」という設問に対し、「地域の誰もが参加しやすい魅力的な事業」に続き、防災訓練や防犯活動、また高齢者の見守り活動といった回答が寄せられていることからもわかるように、地域コミュニティーに対しては、暮らしの安心に関する期待が寄せられていることがうかがえます。  このことは逆に、住宅都市杉並のブランド力を高めるためには、地域コミュニティーとの連携が欠かせないと言うこともできるかと思いますが、例えば町会との連携を図り、高齢者の見守りなどの一部を担ってもらうことは可能であるか、この点につき区の見解を伺いまして、続く三つ目の項目としての町会・自治会・商店会についての質問に移ります。  今ほど触れましたとおり、良好な住宅都市としての質の向上にもかかわる町会・自治会・商店会について、まずは基本的な部分で、自治会・町会が担っている役割と区政における位置づけについて、区の認識を伺います。  私も、幾つかの会に参加させていただき、御意見をお伺いする機会にも恵まれておりますが、かかわられている皆様とも、お忙しくされている中にあっても地域のために時間を費やし、また地域がよりよくなるようにと知恵を出し合うさまを見るにつけ、そのとうといボランティア精神に頭が下がる思いでおります。  一方で、運営上の御苦労話を伺えば、役員の担い手不足による負担の集中や加入者の減少、事業のマンネリ化による行き詰まり感など、地域による差はあれども、何かしらの課題を抱えているのが実情であろうかと思います。しかしながら、先ほども触れましたが、町会等の地域コミュニティーは、その果たす役割、そして期待される役割を考えますと、行政サービスの行き届かない部分の補完機能という点で、むしろ今後ますますその重要性は高まろうかと思いますし、良好な住宅都市としての魅力向上を目指す上でも欠かせないピースの一つとして、いま一度その存在価値が注目されてしかるべきと思うところであります。  その観点からいいますと、改めて町会や自治会、また商店会の協働パートナーとしての位置づけを再認識するとともに、各組織の課題解決や活性化に向けてのより実情に沿った支援が必要と考えますが、現状において、区は、自治会・町会が直面している課題をどのように捉えているか。あわせて、こうした課題の解決に向け、区はこれまでどのように支援をしてきたか。また、今後どのように自治会・町会を支援していこうと考えているのかについて、お聞かせください。  例えば加入率アップ、加入促進一つをとっても、既に地域活性化事業等の取り組みとして支援を行ってきてはいるものの、区民意向調査における町会・自治会に加入しない理由の1位は、「よく知らないから」という回答が50%を超えているというのもまた現実であります。であれば、町会・自治会等に対する支援としては、その活動の見える化や加入の動機づけの明確化が求められているとも受け取れますし、もしくは周知の方法において、足立区や北区ほか幾つかの自治体で行われているように、宅建協会等の不動産団体との協定に基づく、新規転入者への周知という手法も一考の価値があろうかと思います。  いずれにしましても、地域における基盤的組織とも言える町会・自治会・商店会の活性化は、地域力の向上という点では地方創生にも資するものであり、また、御高齢者の外出機会の創出という面での健康長寿社会への貢献、さらには世代間交流機能であったり、顔見知りの声かけによる地域防犯機能、災害時の相互扶助機能として、その果たす役割の一つ一つがまさに杉並区のアイデンティティーたる良好な住宅都市を構成する重要なピースであるとの認識を強くするとともに、最後になりますが、区におかれましては、より実情に即した支援策の拡充を切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、大泉やすまさ議員の一般質問のうち、町会・自治会に関連しての御質問にお答えをいたします。  初めに、町会・自治会が担っている役割と区政における位置づけについてでございますが、町会・自治会は、一定の地域に住む方々が自発的な意思で組織する住民による自治組織でございます。今日の具体的な役割としては、防災訓練、防犯パトロールなどの共同活動や、ごみ問題を初めとするさまざまな地域の課題の解決、地域のお祭りなどを通じた住民相互の親睦を深める活動、さらには掲示板、回覧板等を活用した地域の情報共有など多岐にわたっておりまして、区が住みよい地域社会を形成していく上で欠くことのできない大切なパートナーであると認識をいたしております。  次に、町会・自治会が直面している課題でございますが、地域によってもさまざまございますけれども、全体として言えることは、会への加入率低下や役員の高齢化、後継者不足などが主な課題と捉えております。  こうした課題の解決に向けまして、区はこれまでも、町会連合会の会合などを通じ、各町会長と膝を詰めて話し合い、地域での創意工夫や前向きなアイデアを実行するよう支援するまちの絆向上事業助成の実施や、今年度からは、町会・自治会への加入促進や活性化を狙いとして、各町会の先進事例などを学び議論し合う実践講座を実施するなど、新たな取り組みを始めております。  私は、少子高齢化が一層進展する中、町会・自治会の方々がみずからの地域をよくしていこうと、私的な時間を割いて絶え間なく活動を続けてこられておりますことに深く感謝し、またさらなる活動の発展に大きな期待を持っております。  このような思いから、新年度の予算編成におきましても、町会連合会からいただいた御要望などを踏まえて、各町会・自治会への区政協力委託事業費を増額するなどの支援の強化を図りました。今後も、大切なパートナーであります町会・自治会の活動が、自主性や主体性を旨としながらもますます充実強化されますよう、必要な支援策を講じてまいりたいと存じます。  また、後ほど所管から御答弁をいたさせますけれども、民泊についてさまざま御指摘をいただきました。不動産の売買や不動産の管理など、現場の実践を踏まえた議員の御指摘、なかなかごもっともだなというふうに拝聴いたしましたけれども、民泊は、いろいろ課題がございますけれども、何か問題があったときに、例えばいろいろ区にも苦情が来ることは想定をされますが、泊まる方々の泊まり方というかマナーというか、そういうことも大事ですし、それから場所を提供する提供者の責任というのがきちっと明確に実務の上で、実践の上で担保されなければ、明確にされて担保されなければ、何でもかんでも何かあったときに、苦情を受けるのはいいんですけれども、実際の処理を全て行政が担うということになるのも、なかなかこれも厄介だなというふうに思います。  そういったこれまでいろいろ言われているような課題も含めて、今後、私は決して否定派ではありませんけれども、安易な推進派でもありません。慎重な課題の整理、研究を指示しているところでございます。詳しくは所管より御答弁いたさせます。 ○議長(はなし俊郎議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する御質問のうち、所管にかかわる御質問にお答えをいたします。  まず、区の計画体系の中での総合戦略の位置づけに関するお尋ねですが、昨年策定した区の総合戦略は、人口ビジョンと区の実情を踏まえ、人口減少への対応、地方創生の推進に向けた基本目標と、基本目標ごとの今後の方向性に基づく具体的な取り組みを明らかにした課題別の計画でございます。  具体的な取り組みにつきましては、上位計画である総合計画と実行計画の施策、事業体系から抽出した基本目標の実現に寄与度の高い取り組みと、新規、拡充事業、実行計画外の事業により構成されております。総合戦略で計画化した新規事業につきましては、総合計画の施策目標への寄与度が高い事業につきまして、平成28年度に改定を予定しております実行計画に反映させてまいります。  次に、優良な住宅都市である杉並区が総合戦略の目標に「まちのにぎわいを創出する」ことを設定した理由についてのお尋ねにお答えいたします。  杉並区は55万人を超える人口規模を有し、都心からの交通アクセスがよく、良好な住宅地を抱える自治体として、非常にバランスのとれた、質の高い住宅都市と評価されております。しかしながら、区の合計特殊出生率は0.99と、全国的に見て低位にございます。加えて、日本全体の人口減少が既に始まっており、転入者が転出者を上回ることにより人口が増加している本区において、その影響を受けることは避けられないと考えております。  そこで、人口流入に頼るのではなく、区みずからで人口を維持、増加させる力を育てることが必要との認識に基づき、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」ことを総合戦略の第1の目標として掲げたところでございます。  あわせて、区といたしましては、将来にわたって地域の活力を維持していくためには、国内外からの来街者をふやし、まちのにぎわいをつくり出して地域を活性化させることも重要であるというふうに考えてございます。  こうした考えのもと、住んでよし、訪れてよしの住宅都市杉並を目指すために、「来街者を増やし、まちのにぎわいを創出する」ことを基本目標の一つとして位置づけたものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(内藤友行)登壇〕 ◎産業振興センター所長(内藤友行) 私からは、総合戦略の基本目標2の効果についてのお尋ねにお答えいたします。  基本目標2に掲げる来街者の増加は、地域ににぎわいをもたらし、地域経済を活性化させる効果があると考えております。今日、消費者の生活様式の変化や購買方法の多様化などにより、地域経済の柱である商店街を取り巻く状況は年々厳しくなっております。商店街は日常生活に必要な商品、サービスを提供するだけではなく、公共性の高い地域コミュニティーの拠点であり、地域に不可欠な存在です。そのため、外国人旅行者を含め多くの来街者を杉並に呼び込み、区内で消費活動を喚起することにより地域経済の活性化につなげてまいります。  さらに、基本目標2は、ただ単に来街者の増だけを図るということではなく、事業実施の際の来街者の受け入れや国際交流などを通して区民のおもてなしの心の醸成も効果として生まれ、魅力あるまちづくりにつながっていくものと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(西田みちよ)登壇〕 ◎杉並保健所長(西田みちよ) 私からは、新しい宿泊施設の制度に関する御質問にお答えします。  初めに、国の民泊の検討状況についてのお尋ねです。現在、規制改革会議や厚生労働省、観光庁の有識者会議など、複数の会議体がそれぞれの視点で検討を行っているところであり、新たな民泊の制度は、これからの検討によって構築されていくと考えております。区といたしましても、その行方を注視しているところでございます。国家戦略特区事業も民泊も宿泊施設に関するものであり、両者とも今後の区内の宿泊施設の整備に影響があるものと考えております。  次に、国家戦略特区事業や民泊を行う場合の確認事項と、周辺住民への周知についてのお尋ねですが、現在、国家戦略特区事業については、課題の整理と解決策を検討しているところです。対象施設の契約関係や管理規約など、営業の適格性や周辺住民への周知は重要な課題として認識しており、さきに取り組みを進めている大田区の事例などを参考に検討を進めていく予定です。  最後に、報道機関からの民泊の苦情に関する調査のお尋ねです。杉並区にも当該報道機関からアンケートがあり、当区に寄せられている苦情について回答いたしました。具体的な内容は、平成24年から昨年末までの間に、ごみ出しのルールが守られていない、夜中に騒いでいる、無許可旅館業ではないかとの苦情が3件あり、いずれも民泊の中止を指導しております。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 私からは、住宅関連の御質問のうち、所管事項についてお答えをいたします。  まず、空き家対策に関するお尋ねでございますけれども、空家等対策計画につきましては、現在、杉並区空家等対策協議会におきまして議論をしていただいているところでございますけれども、委員の方々からも、空き家の所有者などの個々の事情や意向を把握して、よりよい解決策を示すことのできる総合的な相談窓口を設置することが重要であるとの御意見がございました。具体的な体制につきましては、今後しっかり検討していきたいと思っております。  また、今年度、空き家に関する総合窓口を住宅課に一本化いたしまして、その明確化を図ったところでございますけれども、御指摘のような住宅に関する総合的な窓口につきましては、来年度、居住支援協議会の設置の検討とあわせまして、窓口の設置につきましても検討してまいります。  次に、空き家所有者への空き家の活用モデルの提示につきましては、専門家団体等との連携の中で、どのようにできるのかをしっかり考えてまいりたいと考えてございます。  続きまして、入居支援に関する一連のお尋ねにお答えいたします。  まず、相談窓口でございますが、利用する側にとってわかりやすいものにとのお尋ねでございますけれども、総合的な住まいのあり方に関する審議会答申におきましても、窓口は、相談者の利便性などにも十分配慮し、入居支援に係る情報提供などが円滑に進められることが望ましいとされておりまして、住宅確保要配慮者に対しまして、入居支援に係る情報提供を適切に行い、賃貸住宅への円滑な入居促進を図ってまいりたいと考えてございます。  次に、関係団体との連携についてのお尋ねでございますけれども、区といたしましても、家賃債務保証、見守りサービスなど、まだまだ利用率が低迷しているとの認識でございまして、こうした入居支援を賃貸契約の条件としてあっせんすることができれば、高齢者も貸し主もみんな安心でございますので、今後、関係団体の皆様に対しまして、連携協力についてお願いしてまいりたいと存じます。  次に、町会との連携についてのお尋ねでございますが、審議会の答申におきましても、既存の区民の自主組織、地域包括支援センターなどと連携してまちづくりを進めていくことにより、地域支え合いの仕組みづくりと一体となった居住環境整備を構築することが求められていると言及されているところでございます。  区といたしましても、こうした地域コミュニティーを活用した見守り環境の充実なども重要なことであると考えてございまして、町会等を所掌している関係課とも十分に連携を図りながら、今後具体的な検討をしてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で大泉やすまさ議員の一般質問を終わります。  33番金子けんたろう議員。       〔33番(金子けんたろう議員)登壇〕 ◆33番(金子けんたろう議員) 日本共産党杉並区議団を代表して、1、差別扇動行為について、2、久我山・高井戸のまちづくりについて、2点質問いたします。  まず、差別扇動行為、以下ヘイトスピーチについて伺います。私はこの質問で、杉並区が、ヘイトスピーチを許さない、毅然と対応する取り組みを進めるとともに、ヘイトスピーチを繰り返す団体に対し適切な対応をとることを求めます。  2007年ごろから、特定の人種や民族に対する憎悪や差別を扇動するデモや集会が、全国各地で行われています。特定の民族に対し、何々人は出ていけ、テロ民族、東京湾、神田川にたたき込めと、民族を一くくりに差別を行い、当事者、周辺住民の生命を脅かし、傷つけてきました。  杉並区内では、2013年11月23日、蚕糸の森公園を出発、到着地にした差別扇動を標榜する団体のデモが行われました。この団体は、日本全国で活動を行い、特定の民族に対し、さきに述べたようにヘイトスピーチ、差別扇動行為を行っています。また、日韓断交を唱え、ネオナチ団体とも強いつながりのある政治団体が、昨年11月8日、荻窪駅前で街宣活動を行いました。  蚕糸の森公園を使用した団体は、2009年12月、この団体に所属する活動家らが、京都朝鮮第一初級学校による勧進橋児童公園の不正占用に抗議するとして、同校校門前で抗議街宣活動を行いました。そしてこの裁判で、抗議者側が威力業務妨害罪に問われ、団体の街宣活動が社会的な偏見や差別意識を助長し増幅させる悪質な行為であるとし、1,200万円余りの賠償を命ぜられ、2014年12月、最高裁で判決は確定しました。そして昨年、2015年12月22日に、法務省人権擁護局よりこの団体の前代表に対し、東京都小平市の朝鮮大学校前でヘイトスピーチを行ったとして、これが人権侵害に当たるとし、今後同様の行為を行わないよう文書で勧告し、違法なものと認識して反省するよう求められました。  現在、東京、名古屋、大阪、九州、北海道などで、全国で発生しているヘイトスピーチによる被害は深刻です。人種差別を標榜する団体が、ヘイトスピーチ、差別扇動集会を行うため、地方公共団体が管理する公共施設を利用しています。差別扇動を標榜する団体が地方公共団体の所有、管理する公共施設を利用している事例が多く発生しています。差別扇動行為であるヘイトスピーチに対する区の見解を求めます。  ヘイトスピーチとは何か。ヘイトスピーチとは、2009年12月に起きた、先ほど紹介した京都朝鮮初級学校襲撃事件の判決文によると、平等の理念を否定し、少数集団に対する憎悪をあおり立て、少数集団の自尊心や民族的自我を傷つけ、少数集団に対する深刻な被害をもたらすものであって、日本も批准しているあらゆる形態の人種差別に関する国際条約、人種差別撤廃条約が禁止している人種差別に該当すると定義しています。すなわち、ヘイトスピーチは、属性による差別であること、マイノリティー、少数者に対するものであること、表現による暴力であることと言えます。  先日、大阪市で条例化されたヘイトスピーチ抑止条例においては、1、「人種又は民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人の属する集団を社会から排除すること」、そして「特定人等の権利又は自由を制限すること」、「特定人等に対する憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること」のいずれにも該当する表現活動をヘイトスピーチと定義しました。言葉の乱暴さは関係なく、丁寧な言葉で言っても差別をあおる言葉、表現であり、人種、皮膚の色、国籍、民族など、あらゆる属性を有する集団に対し、おとしめたり、暴力や差別行為を扇動したりするような侮辱的表現を行うことがヘイトスピーチと言えます。ヘイトスピーチのターゲットにされた人々を徹底的に打ちのめし、反論の気力を失わせます。  こうしたヘイトスピーチが頻繁に行われる背景には、今の社会や生活への不満を持った若者たちが行っていると見られがちですが、そうではなく、実際には社会人や年配の男性、若い女性、お子さん連れなど、多様な年齢層、一般の市民ともいうべき人たちが参加しています。私は、実際に何度も差別扇動デモを目の当たりにし、こうした参加者を見てきました。ヘイトスピーチを叫ぶ勢力がばっこできる背景の一部には、ヘイトスピーチを繰り返してきた団体やネオナチなど極右勢力の幹部と政治家との関係が明らかになったことからも、こうした政治的温床があると言えます。  こうしたことに対し、一般の人たちも、ヘイトスピーチを許さないと市民が連携し合い、先月川崎では、地元商店街、保護者など、地域ぐるみでヘイトスピーチに抗議する集会活動し、声を上げています。また、差別扇動デモが頻繁に行われる中央区銀座では、地元住民の方々、職場として利用する方々から、議員への個別説得から関係者への働きかけが行われています。  銀座を職場として利用する方にお話を伺いました。  私の働くまち中央区銀座でも、ヘイトスピーチを声高に訴えるデモが頻発しています。街宣、講演会等を除く中央区でのデモ回数をカウントしたところ、2012年8回、2013年13回、2014年10回、2015年16回、ことし2016年は既に2回。参加人数は平均20名から50名程度に減り、一時期よりピークは過ぎているように見えますが、先月1月10日には、差別扇動団体の元会長率いる約200名のデモが、主に銀座の外堀通りから日比谷公園まで約1時間かけて歩きました。これが社会悪と呼べないなら一体何なのか。表現の自由とは何を言ってもいいのか。もっと早くに行動していればここまでひどくならなかったのではと、後悔の気持ちから、反対運動を個人的に行っています。私の頭の中は疑問でいっぱいです。あと何年こんなことを続けていかないといけないのか。一方的にヘイトスピーチを受ける市民や来訪者を守るのは自治体の仕事ではないか。表現の自由とヘイトスピーチ規制は本当に両立できないのか。国の法律ができるまで自治体は待つしかないのか。今やどの繁華街を歩いても、外国籍の方を見ない日はありません。杉並区内でも同様でしょう。どうかこの問題について、他人事と思わず、いつでも、どのまちでも起こり得る事態だと認識してほしい。こう語っておられました。  先ほど示したように、2013年に差別扇動を行う団体が蚕糸の森公園を使用し、区も許可申請を受理しています。差別を扇動するヘイトスピーチを絶対に許してはなりません。公共施設の使用許可申請について確認いたします。区の公共施設の使用許可申請の判断基準は何か、答弁を求めます。  全国でこうした差別扇動を繰り返す団体に対し、自治体が独自の判断で、明らかにヘイトスピーチ、差別扇動集会を目的とする公共施設の利用申請に対し、会場使用を認めてこなかった例があります。  ヘイト団体の公共施設の利用を制限した大阪府門真市での市民ホールの事例です。調べていただければわかるのですが、この問題となった集会タイトルや集会宣伝サイトに掲載の共催団体名が、この場で言うこともはばかられるものでした。しかし、あえてその趣旨、どういった内容だったのかを私はお伝えしたいと思います。特定の民族を名指しし、その子弟はふん尿を食せという団体名を掲げ、とても醜悪な差別となっていました。これに気づいた住民の方々が、門真市に対し、集会の内容が特定の民族に対して極めて差別的であるとの情報提供や抗議が寄せられ、市が当該団体に確認したところ、特定の民族を侮辱する内容で集会を開催する予定だったため、当該施設の条例、「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあると認めるとき。」に該当するとして不許可に至りました。  山形県では、公益財団法人山形県生涯学習文化財団が差別扇動団体の利用申請に対し、「集団的又は常習的に暴力行為又は不法行為を行うおそれがある団体の利益になると認められる場合」に該当すると判断し、利用申請を不許可としました。こうして、自治体が独自の判断で、会場の使用規制など適切な対応をとることは可能です。  杉並区内在住の、ある在日コリアンの方に話を伺いました。初めて来日したとき、自分の住む地域で差別デモが行われるのを見た、私たち民族を大虐殺するとか東京湾にたたき込めとか、本当にその意味をわかって言っているのか、激しい怒りとともに言葉を失っておられました。  ヘイトスピーチは言論ではありません。言論などを含む表現の自由は、自由闊達な批判の自由を包含します。しかしそれは、議論をしつつ、社会においてお互いの生存を認め、共存し続けることが前提です。相手を社会から排除する権利は含まれていません。憲法にも差別をするなと書かれており、他者が不利益をこうむる場合は認められません。  現代社会は、全ての人々を平等な者として処遇することを決めています。差別は、平等な者として処遇される権利を侵害するものであり、社会に対する挑戦です。差別がよいかよくないかが重要ではありません。社会は端的に差別を許さない、必要なのはこの意思だけです。差別は反社会的な挑戦を意味しており、そして挑戦の成否は、私たち社会の意思がどこまで貫き通せるかにかかっています。  当区において、そうした差別扇動行為、ヘイトスピーチが行われることがあってはなりませんが、差別扇動行為、ヘイトスピーチに対応する公共施設利用のガイドラインの現状はどうか、確認します。  また、表現、言論の自由を保障する観点、行政による恣意的な乱用を防ぐ観点から、利用を制限する厳格な条件、ガイドラインが必要です。人種差別を行わないことを条件とする条件つき占用許可など多様な方法を工夫し、必要最小限の制限とするガイドラインを設けるなど、明らかに差別扇動行為を標榜する団体が公共施設の利用、占用許可を申請した場合、杉並区としてもガイドラインなど使用制限を検討すべきではないか、区の見解を求めます。  また、公共施設の利用において、ヘイトスピーチなど人種差別扇動行為が行われるおそれが、申請団体の過去の活動状況、ホームページや当日の告知ビラなど客観的な事実に照らし具体的に明らかに認められる場合など、厳格な要件を設定するなど、利用制限を乱用することのないよう慎重を期することが重要と考えます。  先ほど紹介した大阪府門真市のような事例、ヘイトスピーチを目的とする公共施設の利用申請が明白な場合、その利用を制限することも重要ですが、一方でその者に対し、みずからの施設利用が正当な言論活動のためのものであることを主張、立証するための手続保障の機会を与えることも重要です。  さらに、行政による恣意的な判断がなされる危険を排除するためにも、利用制限の要否の判断を、国際人権法、憲法や人種差別問題に精通した研究者、法律家の意見を聴取することが重要と考えますが、区の見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、久我山・高井戸まちづくりについて質問いたします。放射5号線供用開始に向け、本年1月、玉川上水・放射5号線周辺まちづくり計画(中間のまとめ)、地区計画の素案が作成されました。意見交換会も行われましたので、地域から上げられた声を含め、質問いたします。
     まず一つ目に、玉川上水・放射5号線周辺のまちづくりについて、その目的、主な内容について確認をいたします。このまちづくりの計画の中で、安全・安心の項の中に、狭隘道路の整備が掲げられています。狭隘道路は、私たちが日常生活をしていく上で、通行上、環境衛生上の問題があるばかりでなく、地震や火災など災害時には、消防、救急活動に支障を来します。狭隘道路整備は喫緊の課題ですが、同時に、道路を拡張するために既存の建物、住居を後退させることにつながるため、住民の財産権にかかわる大問題です。  杉並区が設置した専門家による審議会の答申によれば、使用権の制約を強制することになる、財産権に抵触しないと、両論併記でした。久我山の住民の方からは、敷地内で駐車場を経営している、狭隘道路整備のため、建てかえ時に敷地を後退させることは理解できるが、駐車場の経営が困難になる、今まで収入を得られていたのに今後どうなるのかという相談が寄せられました。まちづくり計画の方針として、狭隘道路の重点的な拡幅整備を図るとなっていますが、住民からは、自分の敷地が減り、財産が減ることになることへの不安の声が上がっています。災害時に緊急車両が入りにくい、それを解消するための拡幅だという理解は住民の方々にもありますが、財産権にも及ぶことであり、重大です。  安全・安心の観点から狭隘道路の拡幅整備を促進するとのことですが、個人の財産との関係について、狭あい道路拡幅整備条例の改正を検討する中でどのように考えているのか、区の見解を求めます。  私有財産の使用は、土地所有者本人の意思が可能な限り尊重されるべきであり、行政として、住民の狭隘道路拡幅への理解を求める姿勢が必要と考えます。本来であれば、道路整備に当たり、行政が道路を買い取るべきでありますが、杉並区内の狭隘道路は膨大であり、現実的ではありません。狭隘道路の拡幅整備に当たっては、住民の理解を得ながら進める姿勢を持ち、都市行政を進めていくということが必要であると考えますが、区の見解はどうか。  関連して、隣接する仮称都市計画高井戸公園について質問いたします。  仮称都市計画高井戸公園の現在の公園整備状況はどうなっているのか、また今後のスケジュールについて確認いたします。住民の方々から、仮称都市計画高井戸公園の整備区域内の東西に走る区道が廃止されるのではないかと不安の声が上がっています。区道が廃止されることになれば、住民生活への影響が及ぶことになります。地元の方、近隣商店からは、富士見丘と久我山をつなぐ、生活していく上での大切な道路だ、配達する際、頻繁に使っていた区道が使えなくなると遠回りをしなくてはならず、商売に影響してくる、出前のときそばが伸びるなど、不安の声が上がっています。  仮称都市計画高井戸公園の整備区域内の東西方向の区道について、東京都は廃止を考えているようですが、地域の方々にとって買い物に行く、商売で使うなど生活に必要な道路です。区として区道の必要性を東京都に伝える必要があるのではないか、区の見解を求めます。  最後に、補助216号線について伺います。  昨年12月、東京都は都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)案を発表しました。来年度からの10年間、全都で315路線、延長223キロメートルの優先整備路線を整備しようとしています。この都市計画道路計画は、昭和21年4月、戦災復興院によってつくられました。東京都が70年前の古文書のような都市計画を持ち出し、道路事業を強行しようとすれば、今の杉並区内の成熟した町並みや住民の暮らしを壊すことになります。宮前、久我山地域では、補助216号線が優先整備路線の対象に挙げられています。道路整備の目的として、一つ、交通渋滞などが掲げられていますが、補助216号線の計画地は閑静な住宅街であり、現在道路のないところです。本当にこの道路が住民生活にとって必要なのか、大いに疑問です。方針検討に当たり、東京都に対し区はどのように対応したのか伺い、質問を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、ヘイトスピーチに対する御質問にお答えいたします。  まずは、ヘイトスピーチに対しての区の認識についてでございますが、人種、国籍、宗教などに基づいて個人または集団を攻撃、侮辱し、さらには他人をそのように扇動する言動と認識してございます。こうした言動は人々に不安感や嫌悪感を生じさせ、また尊厳を傷つけたり差別意識を生じさせることにもつながりかねず、一人一人の人権が尊重される社会の実現を目指す上で、決して容認できないものと考えております。  次に、公共施設使用許可申請の判断基準についての御質問がございました。使用許可につきましては、事前に使用内容、日時、使用人数等を把握し、その上で、それぞれの施設の不承認とする事項等に該当しないことを確認した上で、許可の決定をするものでございます。  また、ガイドラインにつきましては策定してございませんが、公の秩序を乱す使用や器具等の破損など、管理上支障が生じた場合には使用制限を行うなど、適切に対処しているところでございます。  ガイドラインの策定を含め使用を制限すべきとの御指摘につきましては、憲法で保障されている表現の自由や集会の自由など、本来認められている権利を侵害するおそれもあり、慎重かつ適切な判断が求められるものと受けとめてございます。このため、公共施設使用におけるガイドライン等につきましては、法整備がなされた上で検討すべき課題だと考えてございますが、今後、国の動向を見ながら、都と23区の情報交換の場である人権施策都区連絡会等の場において、情報共有に努めてまいります。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(松平健輔)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(松平健輔) 私からは、玉川上水・放射5号線周辺地区のまちづくりに関するお尋ねにお答えいたします。  東京都が整備を進めている放射5号線の沿道周辺においては、新たな道路環境に即した適正な土地利用や沿道周辺地区の課題に対応した総合的なまちづくりを進める必要がございます。そのためには、対象区域のまちづくり計画を策定し、目標や方針、具体化の手法などを明らかにしたいと考えております。その上で、用途地域変更や地区計画等の都市計画の決定を行うとともに、安全・安心、緑、環境などの観点から、狭隘道路の拡幅整備などの関連事業をあわせて実施してまいります。  現在、まちづくり計画の中間のまとめや都市計画の素案を策定し、意見交換会等を開催しているところでございまして、引き続き地域の皆様の御意見を伺いながら取り組みを進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(浅井文彦)登壇〕 ◎土木担当部長(浅井文彦) 私からは、道路及び公園の整備に関する御質問にお答えいたします。  初めに、狭あい道路拡幅整備条例の改正に関するお尋ねにお答えいたします。  狭隘道路の拡幅整備は、災害時の緊急車両の通行や避難路の確保などに極めて重要であると考えております。狭隘道路の後退用地は私有地であり、財産権の制限に関する課題があることから、狭あい道路拡幅整備に関する審議会で慎重に議論を重ねていただきました。審議会からは、拡幅整備をすることは公共の福祉の観点から公益性が認められるとの答申を受けました。しかしながら、後退用地の拡幅整備を義務化することについては、財産権との関係において、積極論と慎重論の二つの考え方が示されました。  今後、条例改正の際には、この答申を踏まえ、財産権との関係について十分検討し、パブリックコメントなどにおいて区民等の意見を丁寧に伺いながら、条例改正に取り組んでまいります。  次に、都市計画高井戸公園の整備状況と今後のスケジュールに関するお尋ねですが、整備状況につきましては、区域内にある既存施設の撤去及び基盤整備工事を行っていると聞いております。  今後のスケジュールでございますが、北側にある印刷局旧久我山運動場と王子製紙旧富士見ヶ丘グラウンド部分につきましては平成30年度から32年度、また南側のNHK富士見ヶ丘旧運動場部分は平成32年度から34年度にかけて、順次開園予定と聞いております。  都市計画高井戸公園の整備区域内の区道についての御質問にお答えいたします。  富士見丘中学校南側東西方向の区道につきましては、日常の通行のみならず、ガス、水道、下水道管などライフラインの収容空間でもあり、地域住民にとって重要な区道と認識しております。これまでにも、この区道の必要性については都に伝えてきております。将来、都市計画公園区域全体の整備計画が進められる際には、道路管理者として道路機能が確保されるよう調整してまいります。  私からの最後になりますが、都市計画道路補助第216号線についての御質問にお答えいたします。  昨年12月に公表された東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)案の検討につきましては、東京都、特別区及び26市2町が共同で調整、検討を行ってまいりました。その中で、補助第216号線につきましては、広域避難場所である都市計画高井戸公園へのアクセスの向上、延焼遮断帯の形成など、地域の防災性向上を図ることを目的に優先整備路線に選定したものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 33番金子けんたろう議員。       〔33番(金子けんたろう議員)登壇〕 ◆33番(金子けんたろう議員) 答弁、ありがとうございました。  明確に、かなりヘイトスピーチはこうであると答弁いただきましたので、区としても、こう答弁しているんだから、それを、明確にガイドラインをつくったほうがいいんじゃないかと思いますが、区の見解を求めます。  あと、216なんですけれども、先ほど他の会派の方も聞かれていました。その中でも住民コミュニティーという話も出ましたけれども、これは思いっ切り住民の中を通り抜けるんですよね。確かに仮称都市計画高井戸公園のほうにつながっていくのは便利かもしれないですけれども、今住民が住んでいらっしゃるんですね。ですので、そこを抜けるというのは、やはり必要かどうかというのは大いに疑問です。改めて、住民が立ち退かなきゃいけないということを含めて、これは本当に区が必要としているのかどうか、答弁を求めます。  以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) ヘイトスピーチに対しての再度の御質問にお答えします。  この問題については、専門家や憲法学者の間でも非常に意見が分かれていて、さまざまな見解がある。その中で、何をどのように規制をしていくべきかというところがやはり一番問題になっているし、また、表現の自由とか人権が長いヨーロッパに比べて、我が国は人権の考え方が必ずしも十分に根づいているとは言いがたい状況の中での規制のあり方ということについては、よくよく慎重に議論して考えていくべきだというところが、おおむねそういう専門家の考え方でございます。  そうした中で、ガイドラインにちょっと踏み込んで一自治体でつくっていくというのはなかなか難しい話でございますので、既存法の適用だとか改正等を含めて国の法整備を待っていく必要があるだろうというふうな受けとめ方です。ただし、先ほども答弁しましたように人権施策等の連絡会がございますので、こうした事案が発生した場合あるいは発生が予見される場合の対処の仕方等については、情報共有を進めていきたいというふうに考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(浅井文彦)登壇〕 ◎土木担当部長(浅井文彦) 都市計画道路に関する再度の御質問にお答えいたします。  216号線でございますけれども、区内の都市計画道路は、既成市街地を通るということはございますが、しかし、防災性、延焼遮断帯等、非常に地域の防災性を高めるということで重要だと考えております。今後、地域住民の方々の御意見を丁寧にお聞きし、議論し、丁寧に御説明を重ねて、事業に取りかかっていきたいと思っております。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で金子けんたろう議員の一般質問を終わります。  ここで3時20分まで休憩します。                                午後3時02分休憩                                午後3時20分開議 ○議長(はなし俊郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  4番田中ゆうたろう議員。       〔4番(田中ゆうたろう議員)登壇〕 ◆4番(田中ゆうたろう議員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。  質問に入ります前に、先日の台湾南部での地震で犠牲になられた方々の御冥福を謹んで御祈念申し上げますとともに、被災されました全ての方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。  それでは、通告に基づき、区政一般に関する質問を行ってまいります。1点目に今夏の参院選について、2点目に慰安婦問題、3点目に子育て支援についてであります。  1点目、今夏の参院選についてであります。  投票年齢引き下げ後初の選挙となる今夏の参議院選挙でありますが、若者たちからは、自分たちに果たして投票するだけの資格があるのかといった投票行為に関する不安、ちゅうちょの声や、そもそも政治に関心が持てないといった声が少なからず聞こえてまいります。そこで、投票率の向上に向け、特に18歳以上未成年への啓発を見込んだ取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。  次に、非拘束名簿式ドント式について区民の方々とお話をしておりますと、依然としてこの方式に対する十分な理解が区民の間に行き渡っていないことを、このところ実感させられております。そこで、このたびの投票年齢の引き下げを機に、広報で特集記事を組むなどし、啓発に努めるべきと考えますが、この見解に対する区の見解を伺います。  けさもNHKのニュースで、このテーマに関する特集が組まれておりましたが、それによりますと、投票率を向上させるためには、まず身近な問題や自分たちの住むまちの問題に対し、若者に関心を持ってもらうことが重要であろうとのことでありました。投票率の向上や選挙制度の普及に向けて、住民に最も身近な基礎自治体にできることは少なくないと考えます。区の前向きな姿勢を期待しつつ、次に2点目、慰安婦問題に移ります。  この問題につきましては、この杉並区議会において既に重大な指摘が先輩方によってなされてきたにもかかわらず、区の答弁は決して十分な内容ではなかったと私は認識しております。国際情勢や国内世論、そういった要因は日々刻々移り行くものであることを考えれば、一昨年、朝日新聞が慰安婦に関する自社の誤報を認め、謝罪し、また昨年末日韓合意が行われ、韓国政府の今後の対応が注視される今こそ、この問題に対する再考を杉並区に対し強く促したいとの思いから、以下数点伺ってまいります。  まず、朝日新聞が慰安婦に関するみずからの誤報を謝罪したことについて、区の見解を伺います。  また、昨年末の日韓合意について、安倍首相が在ソウル日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去について、韓国側が適切に解決するよう努力する内容になっており、韓国政府が適切に処理すると確信している旨述べたことについて、区の見解を伺います。  さらに、杉並区と友好都市提携を結んでおります瑞草区内にあるソウル特別市立瑞草高校の慰安婦像について、瑞草区から韓国政府及びソウル市に対し撤去を働きかけるよう、より前向きな姿勢が杉並区に求められるものと考えますが、改めて今後の瑞草高校の慰安婦像に対する杉並区の対応について、今現在の区の見解を伺います。  今日の東アジアの安全保障環境を見れば、北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイル発射実験を強行し、中国が尖閣諸島沖で領海侵犯を繰り返す昨今、日韓間の連携の重要性に思いをいたさぬわけにはまいりません。昨年末の日韓合意の内容をめぐっては、日本国民の間に種々の議論があるものの、歴史観的には重大な問題あり、しかし、政治、外交的には一定の評価も下さざるを得ないというのが大方の国民の理解ではないでしょうか。  今回の合意を、政治、外交的にはといった条件句抜きに評価できるものとするために、日本は官民一体となって情報発信と名誉の回復に本気で取り組まなければならないときに来ております。決して諦めてはなりません。そしてそのために、韓国の地方都市瑞草と友好を結ぶこの杉並区が果たすべき務めは必ずあるはずであります。  真の友好とは何か。臭い物にはふたをして、ただへらへら笑ってお茶を濁すことでは決してないでしょう。友好都市同士、相手側に立つことも必要でしょうが、時には本音で語りかけることも必要なのではないでしょうか。それをしないのであれば、友好都市提携の意義自体問われかねないと私は考えますが、この認識に対する区の見解を伺って、次に3点目、子育て支援に移ります。  私は、昨年の第4回定例会一般質問におきまして、保育所や児童館などの児童関連施設におけるトラブル、特に過度なクレームや職員に対する暴力行為などのトラブルの発生を未然に防止し、事件から正常な環境を守るべく、区の意気込みを伺いました。しかるに答弁は、第一義的に施設の管理責任者が対応すべきという内容でした。要するに、責任は現場に丸投げするとの宣言でありました。これでは、待機児童解消も保育士不足解決も、思うようにはかどるはずがありません。  また、そもそも現場職員が日常的にさらされているストレスや過重な負担への配慮に欠けるくだんの答弁程度の認識のまま、つまりは保育の質を決定的に問うことなおざりのまま、ただやみくもに保育施設整備の道を突き進むことが、果たして手放しに褒められたことであるのかどうか。場合によっては、職員のみならず子供や保護者や近隣住民等を、かえって危険や種々の不利益に瀕せしめるおそれがあるのではないか。ここに重大な疑問を抱かざるを得ませんでした。  また、区民の子育てを支援する上で、児童館という施設がこれまで担い続けてきた重責について、区は真剣に理解しておられるのでしょうか。これも、この際一から検証しなければならないと考えております。詳細は後日の審議にまつことといたしますが、区立施設再編整備計画の策定以降、杉並から児童館機能が失われるのではないかとの不安の声が、区民からは依然として寄せられ続けております。ここでは、児童館が果たしている機能や役割を区が再編においてどのように維持していくのか、改めて確認をいたします。  また、保育施設の整備など、女性の就労支援に対する取り組みを推進していることは、これまで一定の理解をいたしてまいりましたが、保育所に通わない、主にゼロ、1、2歳児がいる家庭に対する子育て支援はどのように進めておられるのか、伺います。特に児童館のゆうキッズのプログラムは、夏休みなどは、学童クラブ受け入れの都合もあり、休みになります。こうした実態を踏まえて、特にゼロ、1、2歳児向けの乳幼児親子の居場所をしっかり確保していくことが必要と考えますが、この認識に対する区の見解を伺います。  さて、来年度当初予算案に、婚姻歴のないひとり親家庭に対する寡婦控除のみなし適用が盛り込まれました。その趣旨は理解いたしますが、このひとり親家庭への支援拡充は、ともすれば、区が現行の家族制度を軽視し、婚外子を推奨するかのような誤解を与えるおそれがあるとも考えております。支援拡充策とあわせて、婚姻の意義、また子供にとって第一義的には両親のそろった家庭環境が望ましいこと、家族の大切さなどを積極的に周知、啓発する必要があると考えますが、この認識に対する区の見解を最後に伺います。  なお、詳細は、引き続き総務財政委員会、予算特別委員会に譲ることといたしまして、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(有坂幹朗) 私からは、慰安婦問題についてのお尋ねにお答えいたします。  初めに、慰安婦に関する朝日新聞の誤報についてですが、この問題につきましては、朝日新聞社がみずから設置した弁護士や外交評論家等から成る第三者委員会から、不正確で読者の誤解を招くものであるといった指摘を受け、朝日新聞が訂正、記事の取り消しなどを行ったものと認識しております。  また、日本大使館前の慰安婦像の撤去につきましては、昨年12月の日韓外相会談での合意に基づき、両国間で解決されるものと受けとめております。  次に、瑞草高校に設置されている慰安婦像に対する対応でございますが、瑞草高校はソウル特別市立の高校であり、瑞草区が関与している施設でないものと認識しており、瑞草区へ働きかけることは適切でないものと考えております。大韓民国ソウル特別市瑞草区とは、これまで築いてきた友好関係を大切にし、今後とも友好都市協定に基づき相互理解と友好を深め、両国の親善に寄与してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、子育て支援に関する御質問にお答えします。  まず、施設再編整備における児童館の機能、役割の維持についてでございます。  児童館再編については、現在、学童クラブの小学校内への移転整備や、小学生の放課後等居場所事業の小学校内でのモデル実施、子ども・子育てプラザの整備などを進めているところです。こうした取り組みを着実に進めることによりまして、子供たちの安全な居場所の確保や子育て支援を通じた地域づくりなど、児童館が果たしてきた機能や役割をしっかりと継承し、さらなる充実、発展を図ることができるものと考えております。  次に、保育園に通っていない乳幼児がいる家庭に対する子育て支援についてのお尋ねにお答えします。  在宅で子育てをする家庭は、保育施設等を利用している家庭に比べ、育児の悩みを相談したり同世代と交流する機会が少なく、保護者が不安感や負担感を抱えやすい傾向にあると認識しております。こうしたことから、区では、日中の時間帯を中心に、在宅の子育て家庭の親子が児童館等の身近な場所で交流したり情報交換を活発にできるよう、ゆうキッズや乳幼児親子のつどいの広場事業を展開しています。また、ゼロ歳から2歳児のいる家庭に対して子育て応援券を無償で交付していますけれども、子育て相談や一時保育、親子で楽しむ交流事業等に多く御利用いただいているところです。  次に、乳幼児親子の居場所についての御質問にお答えします。  児童館のゆうキッズのプログラムは平日の午前中を中心に実施しておりますが、小学校の長期休業期間中は、学童クラブでの児童育成を優先するため休止をしております。今般の児童館の再編は、こうした実態も踏まえて行うものであり、子ども・子育てプラザの整備等を着実に進めることで、より広い乳幼児親子の居場所を確保するとともに、プログラム等の実施時間や内容の充実を図ってまいります。  なお、現在の児童館の乳幼児室でございますけれども、開館時間中、プログラムとは関係なく自由に御利用いただいているところでございます。
     私からの最後に、寡婦控除のみなし適用の実施に関する御質問にお答えします。  寡婦控除のみなし適用につきましては、他の議員からの質問にもございましたが、今回、公営住宅法施行令の改正など環境の変化を踏まえ、実施することとしたものでございます。保護者が複数年度にわたり継続的な負担を伴う保育料等に限定して経済的負担を軽減するもので、特定の家族のあり方を奨励するためのものではなく、あくまでひとり親家庭の子育て支援と、婚姻歴の有無により格差が生じないようにするために行うものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 選挙管理委員会委員長。       〔選挙管理委員会委員長(伊田明行)登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(伊田明行) 私から、この夏の参議院選挙についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。  まず、選挙権年齢の18歳以上への引き下げに向けての取り組みについてですが、従来の小学校での模擬投票に加えて、昨年からは、私立を含めた複数の小中学校で出前授業や模擬投票を実施し、児童生徒に対して、選挙の知識や心構えについて周知に努めてまいりました。今後につきましても、既に予定している学校が数校ありますので、選挙啓発に実績のある若者主体のNPO法人のお力を活用しながら、より効果的な啓発に努めてまいります。  次に、比例代表選挙制度の周知についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、参議院と衆議院とでは比例代表選出の当選人の決定方法が異なっております。今回の参議院選挙は選挙権年齢引き下げ後最初の選挙となる予定ですので、広報の選挙特集記事の中で制度を周知するとともに、ホームページで詳細な説明を行ってまいります。また、選挙人、投票者が投票しやすいように、比例代表選挙の投票用紙の記入につきましても、用紙交付の際に、職員による声かけを徹底してまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 4番田中ゆうたろう議員。       〔4番(田中ゆうたろう議員)登壇〕 ◆4番(田中ゆうたろう議員) 御答弁ありがとうございました。2点のみ再質問させていただきます。  まず、慰安婦問題に関してでありますが、両国の親善に寄与していきたいという御答弁がございましたけれども、具体像が見えませんので、具体的にどのような方法をもって両国の親善に寄与していきたいとお考えか、伺います。  それと、子育て支援。婚姻歴のないひとり親家庭に対する支援拡充に関する私の質問に対する御答弁でありましたけれども、この拡充策が特定の家庭を奨励するものではないということは十分理解いたしております。それを言っているんじゃなくて、それと同時に、家族の大切さなどを積極的に周知、啓発する必要があるんじゃないですかということを私はお尋ねしたので、御答弁をお願いいたします。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(有坂幹朗) 私からは、慰安婦問題に関しまして再度の御質問にお答え申します。  両国の親善に寄与するということにつきましては、この間も私どもさまざま顔の見える交流を推進してきました。そのことによって、もちろんこれまでのさまざまな出来事、歴史も含めて、今後の私どものありよう、そういったことを含めまして、親善に寄与していくというものでございます。具体的に申し上げますと、スポーツですとかさまざまな交流をしていますので、そこを通して信頼関係を築いていくものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、家族の大切さについての御質問にお答えいたします。  これは、先ほどもほかの議員にもお答えしたところと重なるところがありますけれども、区では、さまざまな講座ですとか相談、それから、生まれる前からやっておりますけれども生まれた後も、いろいろな機会を通して親に対する教育講座などもしております。また、地域社会の中で親自身も育っていくという観点から、地域でいろいろな行事、伝統行事など盛んに行われておりますので、そういったものを区としても支援して、そういった交流を通じて、親自身も家族の大切さというのを学ぶ、子供もそれで一緒に学ぶ、そういった機会を提供しているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で田中ゆうたろう議員の一般質問を終わります。  42番島田敏光議員。       〔42番(島田敏光議員)登壇〕 ◆42番(島田敏光議員) 本日、私が最後みたいですので、もうしばらくのおつき合いをお願いいたします。  杉並区議会公明党の一員として、一般質問を行います。まず、施設再編整備計画についてお伺いいたします。  基本構想を実現するための総合計画、実行計画が策定されて5年目を迎えます。また、この間、並行して区立施設再編整備計画がまとめられました。再編整備が必要となった施設については、実行計画にも反映され、区民の皆様に御理解をいただけるよう、施設ごとに丁寧な対応をされております。しかしながら、なかなか御理解をいただけず、反対を唱える区民もいらっしゃいます。そういった区民の声に耳を傾けながら、貴重な御意見にはしっかり対応され、計画に反映していることも存じ上げております。児童館がなくなる、ゆうゆう館がなくなるといった単純な誤解からの反対もございました。それは、区立施設の全体像、将来像が見えにくいためではないかと思われます。実際にこれまで、異を唱える方々とじっくり話をすると、そうだったのかと御理解をいただくことも多かったのです。  区立施設再編整備計画は、向こう30年間の見通しから始まりました。全体最適、長期最適の視点から計画が練られました。当然、一定期間ごとのローリングは必要になるでしょうが、少なくとも基本構想の到達点での将来像は示すべきではないでしょうか。施設再編整備は、何よりも区民の納得と合意、協力が必要です。そのために、再編整備が必要となった施設ごとの対応に加え、区の施設が一定期間にどのように充実、見直しがなされていくかのロードマップを描く必要があると考えます。区内の施設の全体像を、改定される実行計画や施設再編整備計画に反映するとともに、区民にもわかりやすく示すべきだと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  今定例会では、国との財産交換が議論されております。その是非はここでは論じませんが、荻窪税務署の建てかえに絡んで、まちづくり連絡会議が設置されたことは大いに評価したいと思います。区内には国や都の施設が多く存在します。警察署や消防署、税務署や都税事務所、水道局や都営住宅、年金事務所など、それぞれ時期は異なれ、施設の更新期を迎えてまいります。  例えば、新年度から始まる都営本天沼二丁目アパートの改築。これまで再三にわたり住宅の建てかえ時期を都に問い合わせてきたにもかかわらずはっきりせず、それではと隣接の区の会議室を改修し保育室を設置した後、建てかえの話が決定されました。都の都合のみの決定に唖然としたものです。区の粘り強い交渉の結果、道路が広がり、アパート内に保育園も併設できることになりました。  このような経緯を見ると、まちづくり連絡会議の課題も見えてくるのではないでしょうか。区民は都税も国税も納めております。国や都の施設建てかえ等に係る情報を共有した上で、国、都、区、それぞれにメリットがある施設の効率的な運用、そして何よりも区民の利便性の向上、区民福祉の向上に向けて、国公有地の有効活用を検討する必要があると考えます。区の御見解はいかがでしょうか。  区長は施政方針で、少子化対策に力を入れることを表明しました。新年度以降誕生した第3子以降は、国の基準の2倍程度までの年収世帯に対して、保育料の無料化、保育園への優先入所を図るというものです。4年間の試行期間を設け、効果を検証するとのこと。当然、保育園の待機児解消にさらに力を入れ、空手形にならないよう努めなければなりません。とともに、将来に大きな影響を及ぼす可能性のある施策の推進については、施設再編整備についても考慮しなければなりません。特に、地域社会の核となる施設である学校については、特別支援学級の各校配置方針等で教室の不足に悩むところも出てきております。学校の改築に当たっては、施設としての余裕を十分に配慮しなければならないでしょう。先を見据えた計画が望まれるところです。区の御見解をお伺いいたします。  杉並中継所についても言及しておきたいと思います。  20年の負担付き譲与の期限が平成32年と伺っております。構造上、施設の撤去だけでも相当の費用を要するものと推察できます。負担付き譲与の条件を考慮すれば、清掃事業で何らかの活用策があれば、すぐにでも取り組めます。例えば、現計画では現在地建てかえとされている清掃事務所の移転も考えられるのではないでしょうか。そろそろ施設の撤去計画と具体的な活用策の検討を開始してはいかがでしょうか。  みどりの里についてお伺いいたします。  高齢者に大変喜ばれている住宅です。適切な住まいの確保は、高齢者の生活を支えるための一番の基本であります。今後構築していく地域包括ケアシステムの核をなすものです。みどりの里は十数カ所あり、その大半が借り上げ方式と伺っております。当初20年の契約で10年ごとに更新契約を結ぶ方式だそうですが、ことし9月に、20年の契約満了に伴い廃止されるみどりの里があるとお聞きいたしました。入居されている21世帯の方々には、住宅課の皆さんが真摯に対応してくださっておりますが、昨年夏に入居し、まだ半年しかたっていない方もいらっしゃいます。たびたびの引っ越しはつらいものがあります。ついの住みかとして入居される方がほとんどではないでしょうか。借り上げの契約方法など検討を要するのではないかと考えます。今後の高齢者住宅のあり方について区はどのように考えているのか、お尋ねいたします。  また、今回入居者の御相談に乗りながら感じたことがあります。区が行う住宅施策は福祉の側面がほとんどだということです。高齢者や障害者、所得の低い子育て世代などを対象に住宅を供給する必要性があります。担当する住宅課は都市整備部にありますが、保健福祉部門との連携は欠かせません。これは我が会派の中村議員が何度も訴えてきたことでもあります。住宅施策を統括する組織のあり方を真摯に御検討いただければと要望しておきます。  高齢者、ついの住みかに絡んで、もう一つ要望しておきます。  13年議員をしておりますと、お世話になった方の訃報が多く届きます。最近は、訃報に接してから葬儀まで1週間くらいかかることも多くなりました。今後ますます高齢化が進んでまいります。葬祭場だけでなく、火葬場も必要になってくるのではないでしょうか。難しい問題だとは理解しておりますが、必要な施設だと思い、検討されんことをお願いしておきます。  次に、防災・減災についてお伺いいたします。  東日本大震災以来、区でも積極的に防災対策に取り組んでまいりました。我が会派も、首都直下地震に備え、倒れない、燃えない、燃え広がらない観点からさまざま御提案させていただいてまいりました。特に、前職が住宅メーカー勤務であり、消防団員でもあり、地域の防災部長でもある北議員の提案を数多く施策に反映していただきました。今回も感震ブレーカーの導入に踏み切っていただきました。真摯な対応に感謝申し上げます。  しかしながら、防災対策にこれでよしということはないものと考えます。今回は、内閣府の国土強靭化基本計画にうたわれているライフラインの複数化についてお尋ねいたします。  阪神・淡路大震災や東日本大震災を教訓にして、いかに二次災害を防ぐかにも対策を立てていかなければなりません。そのため、水道、電気、燃料、情報通信などのライフラインの複数化を内閣府は求めているわけですが、国土強靭化基本法を受けて、区としての災害時における対応について、現状と課題をお伺いいたします。特に、震災の混乱の中で、救援車両用燃料や各震災救援所の非常用電源の燃料など確保できるのか、不安の残るところではあります。この点いかがでしょうか。  ライフラインの復旧に一番時間を要するのは水道のようです。東京都水道局の試算では、首都直下型地震では40%がだめになると聞き及んでおりますが、この間、水道管の継ぎ手の改修に力を入れると伺ってもおります。ダメージを受ける可能性の直近の数字はいかがでしょうか。東日本大震災の被災者や救援活動をされた方々から聞いた話によれば、飲料水は何よりも大事だが、水道の蛇口をひねって水が出るというのは非常にありがたいことだ、顔や体を洗うのにかなりの水を使う、さらにシャワーや風呂が使えれば、体の疲れだけでなく心の疲れも癒やしてくれると。  2月1日、提案が実り、区役所敷地内に掘っていただいた井戸の取水式が行われました。地下116メートルからくみ上げた地下水をろ過し、飲料水として既に供給いただいております。供給能力は時間当たり4トンと伺いました。東京都の条例によれば、1日当たりの取水制限が10トンであります。もちろん非常時には制限は撤廃されます。庁舎の水道使用量は、季節により変動はありますが月平均1,500から1,600トンとのことです。都の取水制限を緩和すれば水道料金がかなり抑えられ、井戸のランニングコストも下がることになります。取水制限が平成12年までは日量30トンだったことを鑑みれば、公共機関だけでも井戸の取水制限を平成12年までの水準まで緩和するよう交渉すべきと考えます。緩和できれば、第2、第3の井戸設置も見えてまいります。区の見解はいかがでしょうか。  国立病院機構水戸医療センターは、東日本大震災の1カ月半前に地下水飲料化システムを導入いたしました。震災により周辺は14日間の断水に見舞われましたが、地下水のおかげで周辺の病院や福島からも患者を受け入れ、透析患者にもフル稼働状態で対応できたとのことです。区内の災害拠点病院には、ろ過装置のついた井戸はあるのでしょうか。医療行為が不可能という想定外の事態があってはなりません。病院こそライフラインの複数化が必要です。区として井戸設置への助成をすべきではないかと考えますが、御見解はいかがでしょうか。  「労苦と使命の中にのみ人生の価値(たから)は生まれる」、これは我が母校の指針の一つであります。区民福祉の向上に日々奮闘される区長、理事者、職員の皆さんにこの言葉を贈り、質問を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 島田敏光議員の一般質問のうち、私からは、区立施設再編整備計画に関する一連の御質問にお答え申し上げます。  平成28年度の予算編成方針でもお示しいたしましたが、少子高齢化が進行する中で持続的に区民福祉の向上を図っていくためには、長期的な展望と、区を隅々まで俯瞰する視点は欠かすことができないと思います。  区では、子供を安心して産み育てられる環境づくりや、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けました高齢者施設の整備など、将来を見据えてさまざまな対策を講じているところでございます。区立施設再編整備におきましても、保育園や特別養護老人ホームなど、緊急性の高い施設を重点的に整備するとともに、全体最適、長期最適の視点から、限られた施設や財源を、その時々の行政需要に応じて有効に活用することとしております。  計画の策定に当たりましては、御指摘のとおり、長期的な展望に立った将来の施設の全体像を示すことは大事であると認識をいたしております。長期的な展望を示すには、将来の区政を取り巻く環境の変化を踏まえるとともに、施設を整備するための財源の確保、この裏づけが同時に必要でありまして、長期にわたる詳細な施設の全体像を描くということは難しい面もございますけれども、28年度の実行計画及び区立施設再編整備計画の改定の中で工夫をしてまいりたいと思います。  次に、国公有地の有効活用に関するお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、国や都の施設も更新期を迎えておりまして、今後の施設の建てかえに際しては、国、都、区が連携をして、合築や施設の用途変更などによりまして、財政負担の軽減に加えて、住民の利便性の向上やまち全体の活性化につながるような更新の方法を、連携して探っていくという必要があると考えております。そのために、まちづくり連絡会議を設置したわけでございます。このまちづくり連絡会議を活用し、区内の国公有地の有効活用策についての意見交換や情報交換を行っているところでございます。会議を通して、問題意識をそれぞれが共有するということはできておると思います。今後、さらにそれを具体的な検討として進めていきたいというふうに考えております。  次に、杉並中継所の跡地に関するお尋ねでございますが、この中継所は、平成32年度に東京都からの負担付き譲与によります用途指定期間が満了して、それ以降は他の用途での活用もできるようになるわけですが、建物や設備の構造上の課題なども御指摘のようにございまして、例えばこれを全面的に解体するとなると、相当の経費を要することになるだろうというふうに認識をいたしております。こうしたことを踏まえまして、28年度の区立施設再編整備計画の改定の中で、区立施設全体を俯瞰し、将来を見据えた有効な活用策を検討してまいりたいと思います。  それから、学校施設のあり方についても御指摘がございました。御指摘のような教室の不足あるいは学童クラブ等の学童の居場所なども考慮がこれからますます必要になってくるというふうに思っております。現在、幾つかの学校では高齢者施設との併設というところもございますけれども、今後の社会経済情勢の変化を見据えて、そういったものも含めて、併設、複合化をするにしても、その中身については不断の見直し、研究、検証が必要なんではないか、こういうふうに私自身は考えております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(はなし俊郎議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 私からは、今後の高齢者住宅のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。  借り上げ方式による高齢者住宅につきましては、既に設置後20年が経過しておりますけれども、現在、区におきましては、20年経過した高齢者住宅につきましては、原則としてさらに10年間借り上げ期間を更新しているところでございます。今後このまま借り上げ方式を続けるかも含めまして、平成28年度に実行計画のローリングがございますので、その中で、今後の高齢者住宅のあり方については十分検討してまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(北風 進)登壇〕 ◎危機管理室長(北風進) 私からは、防災・減災に関する御質問のうち、所管に係る御質問にお答えいたします。  初めに、災害時におけるライフライン等、区役所機能の確保に関する御質問にお答えいたします。  杉並区業務継続計画におきまして、災害時にはまず災害対策本部を設置し、災害対応の根幹をなす初動体制の確立をするとともに、情報収集体制を構築することとなってございます。そのためには、本部を設置する区役所本庁舎における電源の確保が何より必要となりますが、停電時におきましても、地下に設置をしてございます自家用発電機とコージェネレーションシステムにより、電気が復旧するまでの間、本部機能を賄う電源を確保できるものと考えてございます。  また、情報収集体制におきまして必要とされます通信手段でございますけれども、被災直後は固定電話の最大5割が不通となるという予測もされてございます。地域防災無線並びにMCA無線を活用することで、災害対策本部と現地職員との間の通信を確保する見込みでございますが、課題としましては、相互支援協定を結んでいます地域との連絡、これが今課題となってございますので、当該年度策定をいたします受援計画の中で検討を進めてまいりたいと考えてございます。  なお、本部職員などへの飲食等の供給につきましては、備蓄食料に加えまして、御提案をいただきました防災井戸が今般稼働をいたしましたので、断水時におきましても、十分に確保できるものと考えてございます。  いずれにいたしましても、食料や御心配いただきました燃料等の継続的な確保が必要となってまいりますので、物資等の供給協定を締結している関係団体等と、より実効性のある仕組みづくりにつきまして、引き続き検討、協議を行ってまいりたいと存じます。  次に、井戸の取水制限に関する御質問にお答えをいたします。  東京都は、都市化の進行による雨水の地下への浸透の減少、揚水施設の能力向上などによる地下水位の低下や地盤沈下への対策として、平成13年4月に環境確保条例を施行し、一定規模の井戸の地下水の取水制限を強化いたしました。現在、杉並区を含む都内におきましては、毎年数ミリ単位でございますけれども地盤が上下している状態でございます。今後も、地盤が安定するまでの間、引き続き雨水の涵養など地下水の保全や井戸の取水制限を継続する必要がございます。取水制限の緩和を都に働きかけ、今回設置しました防災井戸の取水能力を十分に活用することは、区の経費節減につながるものではございますが、現時点では将来の課題とさせていただきたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(西田みちよ)登壇〕 ◎杉並保健所長(西田みちよ) 私からは、区内災害拠点病院の井戸の設置に関するお尋ねにお答えいたします。  災害時に病院機能を維持する上で、水の確保は非常に重要です。このため、各災害拠点病院では、BCP、いわゆる事業継続計画において、水の備蓄、給水、節水対策等を位置づけ、都水道局による優先復旧と一定量の水が確保されているところです。現在のところ区内の災害拠点病院に井戸はありませんが、都が平成26年度より、災害時拠点強靭化緊急促進事業として災害拠点病院における防災井戸の設置に対する補助制度を開始しており、1病院が整備費用補助の申請を検討していると聞いております。今後とも区の災害医療運営協議会において水の確保等について議論を深め、災害医療対策の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で島田敏光議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  議事日程第4号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                                午後4時06分散会...